オペレーティングシステム(OS)は、ハードウェアを抽象化したインターフェースを通じ、機器類やアプリケーションソフトの機能を利用するための“基本ソフト”と解釈される。WindowsやMac OS、Linuxがその典型例だが、よく目を凝らせば、一括りにすることは難しいOSたちも存在する。ここでは、Software Re:Sourceに掲載されているOSのなかから5点をピックアップしてみたい。
Haiku OS
iPodにiPhone、そしてiPadと、立て続けに斬新な製品を送り出すAppleだが、いまから十数年前には深刻な経営危機に直面していた。主力製品たるMacintoshの販売が低迷(例外的に日本は堅調だった)したことが理由だが、その原因にはWindows 95の大ヒットによる相対的な地位低下のほかに、OSの設計の古さが指摘されていた。Appleもその必要性を認識し、System 7の後継たるOS(コード名:Copland)の開発に着手したが、さまざまな要因により計画を断念。他社からOSを買収するという決断を下した。
そこで候補にあがったOSの1つが「BeOS」だ。結果的にはSteve Jobs氏率いるNeXT Softwareの「OPENSTEP」が採用され、現在に至るわけだが、あのときBeOSを選択していたら……歴史にもしもは禁句というが、BeOSが選ばれていれば、現在のコンピュータシーンはかなり様相が異なっていたに違いない。
ここに紹介するHaiku OSは、BeOSの後継を目指して開発中のフリーなOSだ。斜に構えたアイコンなどUIデザインをほぼ踏襲、マルチタスクやマルチメディアに強いAPIもほぼ再現、ソースコードだけでなくバイナリレベルでもかなりの水準で互換性を実現している。PC実機だけでなく、VMWareなどの仮想化ソフトでも動作するので、あのとき関心はあったが適当なマシンがなくて、という向きに試してほしい。