富士通のやり方は妥当だと皆が言う--元社長の辞任問題で間塚会長が反論 - (page 4)

冨田秀継(編集部)

2010-04-14 21:34

資料に記載された「違法行為の確認」

 9月25日に何が話されたのかは、まだ全貌が明らかではない。野副氏はその場でインサイダー情報の提供や金品の授受などの違法行為についても質問されているのだ。野副氏は「そのようなことはなかった」と回答し、富士通側もそうした事実が確認されなかったとしている。

 藤田氏は、違法行為の有無を聞くのは「(事情聴取の上での)あくまでもプロセス」だとしている。しかし、野副氏にそうした疑惑があったことは、その直後の間塚氏の弁からも否定できない。「特定の女性記者と頻繁に携帯電話で話している記録が残っている。そこで、インサイダー情報の提供のようなことがないか、念のため確認した」(間塚氏)

経緯:企業統治とリスク管理で揺れる富士通

 富士通は2009年9月、当時社長だった野副氏が「病気療養」を理由に辞任することを発表。社長交代に関する記者会見では、代表取締役会長(当時)の間塚道義氏自ら報道陣の質問に答えていた。しかし、2010年2月26日に野副氏は富士通に臨時取締役会の開催を要求する文書を送付。3月3日に富士通が拒否する旨を通達し、同5日に問題が明るみとなった

 その後、富士通は3月6日に野副氏を相談役から解任し、社長交代の理由を「好ましくない風評」を持つ企業グループと付き合っていたためと変更していた。

 こうした一連の動きを受け、野副氏の代理人である畑・植松法律事務所の畑敬弁護士は3月7日にZDNet Japanの取材に応じ、富士通側の反応に真っ向から反論。辞任理由の「病気療養」について、通院自体は認めたものの、肩こり解消のために針をやっていた程度であり、病名も診断書も存在しないとしていた。

 3月7日以降、畑弁護士は富士通側の弁護士と水面下で交渉を続けていたが、それも決裂。4月7日には野副氏本人が自身の主張を公にする記者会見を開催していた。

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