--ここ数カ月、「ゲームを変える」Appleのタブレットという宣伝文句を何度も耳にしたんだけど、iPadって本当にそこまで凄いの?
いい質問だね。でも、答えは時が経てば分かるとしか言えないな。
iPadの販売が開始されてからまだ間がないからね。米国では発売初日の出荷台数が30万台だった--爆発的な売れ行きとは言えないかもしれないけれど、Wi-Fiのみのモデルとしてはかなり売れている方だと思うよ。
iPad用に開発されたアプリケーションが発売初日に1000本以上もApp Storeに用意されていたことを考えれば、Appleがこの新しいデバイスで切り拓こうとしているジャンルをうまく後押ししていると言ってもいいだろうね。
--ビジネス用としてはどうなの?iPadはノートPCの代替になり得るの?
タブレットPCはヘルスケア業界のような垂直業界においてニッチな市場を確保しているとはいうものの、あくまでも「ニッチ」に過ぎないからね。
タブレットPCはまだ、ノートPCを置き替える存在にはなってないし、ネットブックの興隆を阻む存在にもなっていないと思うよ。AppleのiPadというタブレットPCが、この状況を変えられるかって?今の時点でどうなるかを予測することは難しいけれど、タブレットPCはノートPCやスマートフォンといった既存のデバイスを置き替えるものではなく、ハードウェアの新しいジャンルとして扱われることになるだろうね。
iPadがいくら「魅力的」、あるいは「革命的」であったとしても、多くの企業ユーザーは物理的なキーボードを備えていないという理由でiPad購入に二の足を踏むだろうし、採用したとしてもノートPCを捨てる気にはならないだろうね。確かに、iPad用のキーボードドックや、外部キーボードを購入することもできる。だけど、こういったものをiPadと一緒にカバンに入れておき、持ち運び、接続するというのは、オールインワンのノートPCやネットブックに慣れている人にとっては、大きな手間に思えるだろうね。
格式張らない環境でクライアントに画像や動画を見せる仕事が多いというのであれば、タブレットPCの方がノートPCよりも適しているかもしれないけれど、データ入力が多いのであれば従来のノートPCを使う方が良いだろうね。