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日本人として国際的な立場で議論できますか?--エリック松永の英語道場(48) - (page 2)

エリック松永

2010-05-07 08:00

 これには理由があります。前任のBush政権が、国際的な温暖化に関する世界の取り組みに背を向け続けたためです。アメリカは、温暖化防止への取り組みとして1997年に議決したKyoto Protocol(京都議定書)から離脱し、国際社会から非難をあびました。地球温暖化へのアメリカ国民の思いは熱く、さまざまな温暖化に関する国際会議の場で「ABB」(Anyone But Bush:ブッシュだけは勘弁)と言われたのは有名な話ですが、今度はObama氏が地球温暖化に関する国民の期待を担っているのです。

 Obama氏は、就任演説で触れたエネルギー対策を「Green New Deal」(グリーンニューディール政策)とし、再生可能エネルギーに10年間で1500億ドル投資し、環境ビジネス関連で新たな雇用を500万人生み出すという構想を掲げました。地球温暖化への取り組みと失業者に対する雇用の創出という2つの柱を具体的な数字で表したのですから、アメリカ国民がこれに対してどれだけ熱狂したか想像できると思います。

日本の温暖化への取り組み

 ちなみに、日本の温暖化への動きはどうなっているのでしょうか。前向きな話としては、4月から東京都が排出権取引(Emission Trading)のひとつであるキャップ&トレード制度を開始しました。最初は限定された企業からの開始になりますが、これにより企業は燃料、熱、電力の使用に伴うエネルギーを削減することが義務づけられました。これは、太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギーで代替するか、欧州のように排出権を売買することによってCO2削減を狙う制度で、国際社会にもアピールできる具体的な取り組みです。

 一方、国全体の取り組みとしてはどうなのでしょうか。Kyoto Protocolでは、日本も2008年から2012 年までの間に温室効果ガスを1990年と比べて6%削減することが課せられました。未達成の場合、排出量に応じてEmission Tradingでの支払いが義務付けられています。残念ながら2008年時点において日本の温室効果ガスの総排気量は12億8600万トンで、基準年となる1990年比で1.9%上回っています。この状況下で内閣総理大臣 鳩山由紀夫氏は、国連気候変動首脳会合にて温室効果ガスの25%削減を表明したのです。

 皆さんは、この動きを日本人としてどう考えますか? 繰り返しになりますが、グローバルビジネスに必要なのは高度な英語ではありません。国際社会での問題を知り、それに対して日本人としてきちんと意見が言えるかどうかが重要なポイントのひとつなのです。

Michael Jacksonからのメッセージ

 Michael Jacksonが、人間のエゴで破壊される地球や戦争の醜さを訴えた「Earth Song」をご存知でしょうか。歌詞の中には環境問題に対するMichaelのメッセージが込められています。彼の最後のメッセージとなってしまった映画「THIS IS IT」の中でMichaelは、「Earth Song」に込めた思いを語っています。

I respect the secrets and magic of nature. That's why it makes me so angry when I see these things that are happening. That every second, I hear, the size of a football field is torn down in the Amazon. I mean, that kind of stuff really bothers me. That's why I wrote these kind and songs, you know. It gives some sense of awareness and awakening and hopes to people. I love the planet.

僕は、大自然の神秘に心から敬意を払っている。だからこそ、アマゾンに今起こっていることに対して怒りが抑えられないんだ。こうしている間にも毎秒、フットボール場もの大きさの森林が伐採されている。それが本当に気がかりでならない。だから僕は、このような曲を作っているんだ。僕の曲が人々を気づかせ、目覚めさせ、希望を与えるように。僕は地球を愛している。

 今回の環境問題をヒントに、いろいろな国際的な問題に目を向けて自分の意見をまとめ、さまざまな国の人達と議論してみてはいかがでしょうか。議論をすると相手が理解できますし、自分の考え方もアピールできます。そして何より、関係が一気に近くなります。

 最後に「Earth Song」を聴きながら、Michael Jacksonという偉大なアーティストからのメッセージを拾ってみましょう。

What about sunrise, What about rain
What about all the things that you said we were to gain...
What about killing fields, Is there a time
What about all the things that you said was yours and mine...
Did you ever stop to notice all the blood we've shed before
Did you ever stop to notice the crying Earth the weeping shores?

What have we done to the world, look what we've done
What about all the peace that you pledge your only son...

What about flowering fields, Is there a time
What about all the dreams that you said was yours and mine...
Did you ever stop to notice all the children dead from war
Did you ever stop to notice the crying Earth the weeping shores

日の出はどうなるの? 雨はどうなるの?
僕らが手に入れようとしていたものはすべてどうなるの?
荒廃した高原は、どうなるの? 時間はあるの?
僕らのものだと思っていたすべてのものはどうなるの?
立ち止まって気づくことはあったの? かつて流した血を
立ち止まって気づくことはあったの? 泣き叫ぶ地球、涙を流している海岸を

僕らは世界に何をしてしまったんだ? 僕らがしてしまったことを見てごらん
たった1人の息子に誓った平和はどうなるの?

花が咲き乱れる高原はどうなるの? 時間はあるの?
僕らのものだと思っていたすべての夢はどうなるの?
立ち止まって気づくことはあったの? 戦争で死んでしまった子どもたちのことを
立ち止まって気づくことはあったの? 泣き叫ぶ地球、涙を流している海岸を

Peace out,
Eric Matsunaga

Eric
筆者紹介

エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。著書に「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)がある。TwitterのIDは @EricMatsunaga。

イラストレーター: まつなが みか
つぶやく日本人や音楽にまつわる「人」のイラストを描く。CDジャケット、ショップ、雑誌等で活動中。エリック松永の愚妹。

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