#7:早々とあきらめる
この過ちもまた、残念なことによく見かけるものだ。Linuxを数時間(あるいは数日間)試用した後、何らかの理由でLinuxをあきらめてしまうのである。どうしても使えない理由がある(例えば、プロプライエタリなアプリケーションやファイルフォーマットを使う必要があるなど)と判明し、あきらめるというのであれば筆者も納得する。しかし、Linuxが平均的なユーザーの要求に応えられないことなど、近頃ではほとんどないはずだ。Linux初心者のイライラに気付いたのであれば、少し念入りに指導してあげるようにしよう。初心者にとっては、そういった初期の壁を乗り越えられるかどうかが最大の難関となることもあるのだから。
#8:Windowsと同様のディレクトリ階層がLinuxにも存在すると考える
LinuxにはC:\というものは存在しない。また、「\」という区切り文字も使用しない。さらに、ファイル名に空白を使うことも許されていない。これらは、初心者にありがちな過ちだ。Windowsのディレクトリ階層を1対1でLinuxにあてはめようとしても無駄である。C:\を/に、デフォルトユーザーを~/になぞらえることぐらいは可能かもしれないが、それ以上は無理だろう。Linuxではディレクトリ階層の頂点が/であり、最も重要なディレクトリは自らのホームディレクトリ(~/、すなわち/home/USERNAME/)であると、初心者に理解しておいてもらう必要がある。
#9:アップデートを見送る
筆者はこれまで、Windowsのアップデートで何度も痛い目に遭っている。事実、前回そんなことが起こったのはいつだったか、思い出すことができない。このため、筆者のシステムは常に最新のアップデートが適用された状態になっている--そしてそれにはきちんとした理由がある。こういったアップデートはソフトウェアにセキュリティパッチを施し、新たな機能をもたらすものであるため、適用すべきなのだ。システムにセキュリティホールがあるという状態はユーザーにとって望ましいものではなく、機密情報が保管されている場合には特に避けるべきである。