国内SaaS市場:利用率は30%以上--CRMやメール、グループウェアが市場けん引

田中好伸(編集部) 2010年05月20日 19時28分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ガートナー ジャパンは5月20日、日本国内のSaaS市場規模予測を発表した。2010〜2013年は年平均11.7%で成長して、2013年には427億円になるとしている。2008〜2009年に企業のIT予算が縮小される中で、低い初期コストで導入できるSaaSへの関心が高まり、利用率は2009年に31.2%まで上昇したとみられるという。

 今後は、アプリケーション導入期間の短縮、商圏やビジネスモデルの変化に伴うシステムの拡張性と柔軟性へのニーズなどがSaaSの導入を後押しすると予測している。一方でベンダーのマーケティングキーワードとして多用されてきた結果、SaaSの定義が混乱し、ASPやアプリケーションホスティングなど既存サービスと混同が生まれているとみており、こうした混乱や誤解がSaaS市場の発展を阻害する要因にもなると分析している。

 主要アプリケーション別には、顧客情報管理システム(CRM)とメール/グループウェアが成長率と規模の両面で市場をけん引すると予測している。CRMは、利用が先行している営業支援システム(SFA)に企業間(BtoB)向けコールセンターでの活用が見込まれるという。メール/グループウェアは、グループウェアにおけるSaaS利用が中小企業から大企業に広がるだろうとしている。

 統合基幹業務システム(ERP)やサプライチェーン管理システム(SCM)は現時点で人材の発掘や育成、管理を行うタレントマネジメントや電子調達など一部の領域での利用に限られているとみている。今後は、ERPでは財務会計領域でのスイート機能、SCMではサプライチェーン統合や輸送管理など、徐々に利用範囲が拡大していくと予想している。

 ガートナーではSaaSの定義を「外部プロバイダーが所有、管理し、共通のコードとデータ定義にもとづくアプリケーションソフトウェアを1対多モデルでネットワーク経由で提供するサービスであり、従量制やサブスクリプションモデルで課金される」としており、顧客ごとに設定したソフトウェアを1対1モデルで提供する従来のホスティングと区別している。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
クラウドコンピューティング

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]