日立ソフトウェアエンジニアリングは6月3日、高速データ転送サービス「活文デジ活ワイド」を、10月1日よりSaaS形態で提供開始することを発表した。
活文 デジ活ワイドは、製造業の海外進出を支援するために、日本と海外における3D CADデータなど大容量データの受け渡しに対応したサービス。これを利用することにより、インターネット回線が利用できる環境であれば、通信インフラが遅れている海外拠点へも、大容量データを安全かつ効率的に伝送できるという。また、SaaSでの提供となるため、初期投資やサーバの構築なしにサービスがすぐに利用できる。
同サービスに搭載された多重伝送技術により、パケット往復時間(RTT: Round Trip Time)が大きな環境で起きる回線切断を自動通知し、代替および予備セッションでデータ伝送路を確保、性能低下を防止する。大容量データの高速な受け渡しを可能にするとともに、多重接続を制御し、性能と安全性向上を実現するという。特に中国、タイ、ベトナム、インドなど、日本に比べて通信インフラの整備が遅れている地域で効果を発揮し、ギガ単位の大容量データ通信に対応するとしている。
また、既存のインターネット回線で利用が可能なため、新たな通信コストを発生させないだけでなく、CD、DVD等の媒体やFTPの代わりに、通信の内容を保護された安全かつ高速なデータ受け渡し経路と環境をHTTPSで提供できるとしている。
活文 デジ活ワイドは、オープン価格での提供となる。日立ソフトでは、同サービスの販売において、3年間で10億円を目指すという。また、今後同サービスを利用した既存アプリケーションとの連携や周辺アプリケーションの提供など、日立グループのクラウドソリューション体系である「Harmonious Cloud」のひとつとして積極的に展開していく予定だ。