今すぐパソコンでできるBI--「Excel」で経営状態を見てみよう - (page 2)

梅田正隆(ロビンソン) 2010年06月03日 20時06分

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Excelでやってみるデータ分析初歩の初歩

 さて、この企業の2009年度の売上高は約6850億円、当期純利益は約498億円と、実に立派な数字が計上されており、リーマンショックをものともせず3期連続で伸びていることが分かる。ここで、この企業の収益性について確認してみることにしよう。企業が利益を得るために、どれだけ効率よく総資産を利用できたかを示す指標のひとつとして、「総資産利益率(ROA:Return On Assets)」がある。この指標で分析してみよう。

 総資産利益率は、一般に利益を総資産(負債及び純資産合計)で除した値を用いる。利益には「営業利益」「経常利益」「当期純利益」が用いられるが、ここでは「経常利益」を用いて「総資産経常利益率」を算出してみる。Excelを使えば簡単に算出できる。

 まず、先ほどの決算書の内容を、Excelのシートに表として丸写ししてみたのが下の図だ。

とりあえず、決算書の丸写しでExcelに表を作ってみた とりあえず、決算書の丸写しでExcelに表を作ってみた

 Excelの表のマス目は「セル」と呼ばれ、行に数字、列にアルファベットがふられている。これはセルの場所を表す住所のようなもので、たとえば一番左上のセルは「A1」、その右隣のセルは「B1」と呼んで区別している。

 さて、今回は各年度について、「経常利益」の数字を「負債及び純資産合計」で割って「総資産経常利益率」を出したい。その数字を入れるための表を、まず空いたスペースに作ってしまおう。

 今回適当に作った表の場合は、2007年の総資産経常利益率が入るのは「C16」のセルになる。まずはこのセルをクリックして、太枠で囲まれた状態にする。シートを見渡してみると、2007年の経常利益が書かれているセルは「H10」、負債及び純資産合計が書かれているセルは「C11」だ。では、「C16」のセルが選択された状態で、キーボードから「=H10/C11*100」と入力してEnterキーを押してみよう。「*100」として、数値に100を掛けているのは表示をパーセンテージで行うためだ。さて、セルの中に「17.957028」と表示されただろうか。これが、この会社の2007年の総資産経常利益率(%)というわけだ。

「経常利益」と「負債及び純資産合計」から「総資産経常利益率」を計算 「経常利益」と「負債及び純資産合計」から「総資産経常利益率」を計算(画像クリックで拡大表示)

 さて、同様に2008年、2009年についても同じ指標を出したいのだが、いちいち数式を入力するのもめんどくさいのでちょっとした小技を使う。先ほどの「C16」のセル(2007年の総資産経常利益率)にカーソルを合わせてクリックし、選択された状態にする。すると、そのセルの右下隅に黒い小さな四角があるのが分かるだろう。

 この小さな四角にカーソルを合わせると、カーソルが太い十字から細い十字に変わる。この状態で、左クリックし、右に2マス分(セル「E16」まで)ドラッグしてマウスボタンから指を離してみよう。すると、D16、E16の2つのセルに、それぞれ別の数値が表示される。

選択したセルの右下にある小さな四角をドラッグすると、選択した範囲に数式をコピーできる 選択したセルの右下にある小さな四角をドラッグすると、選択した範囲に数式をコピーできる。相対的なセルの位置もExcelが推測してそれぞれに値を算出する

 それぞれのセルに書かれた数式を見てみると、きちんと2008年、2009年の経常利益から負債及び純資産合計を割って、100を掛けたものであることがわかるはずだ。これは、Excelが、最初に入力したセルの数式から、必要な数値が書かれているセルの相対的な位置を割り出して、「このセルに入る数値は、ここのセルから計算すればいいんでしょ?」と推測して入れてくれたものである。ま、理屈はともかく、これでアッという間に3年分の総資産経常利益率が分かったわけだ。

とある会社の3期分の総資産経常利益率 とある会社の3期分の総資産経常利益率(画像クリックで拡大表示)

 計算結果を見ると、総資産経常利益率は17%から20%を超えるまでに伸びていることがわかる。このことは、この企業に年間100万円の資産を投下すると、20万円強の利益を出す可能性が高いことを示している。総資産経常利益率20%という数字は、国内の上場企業の中でもトップクラスの利益率と言える。

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