パフォーマンス:筆者は先日、非常に興味深い話を聞いた。あるホスティング企業から電子メールを受け取ったのだが、それによると、AWSからそのホスティング企業へ乗り換える顧客が増加しており、それらの顧客はAWSよりもその企業のパフォーマンスの方が実際に優れていると感じているという。筆者はこの主張が事実かどうか確かめたわけではないが、それでも興味深い主張であることに変わりはない。
処理速度、メモリ速度、ストレージアクセス、読み書き速度、レイテンシ、帯域幅といったものはすべて、テクノロジの買収、あるいはエンジニアリングや運用に関する高度な専門知識を得ることで、クラウドプロバイダーがチューニングできることだ。そして、サーバやストレージと同様に、1ドルあたりの速度が最も優れているものが概して勝利を収める。
クラウドコンピューティング、特にIaaS分野で、RDBMSベンチマーク戦争のようなパフォーマンス戦争が起きても不思議ではない(PaaSやSaaSの分野でも十分に起こり得ることだ)。
信頼性とセキュリティ:この2つの要素をひとまとめにして扱うべきかどうかについては、筆者も迷った。信頼性とセキュリティは同じ概念の異なる側面を表しているからだ。しかし、その核となる概念、つまりリスク軽減は、パブリッククラウドサービスがプライベートデータセンターよりも優れているかどうかを判断するとき、その根拠の大きな部分を占めるため、信頼性とセキュリティは同じ観点から検討されることが多いと筆者は考えている。
クラウドプロバイダーが、信頼性とセキュリティの両方で他社とは違うことを実証するには、まだ時間が必要だろう。しかし、どのようなプロバイダーでも、運用とセキュリティの両方の透明性を向上させる機能を導入することは、今すぐにでもできる。例えば、冗長化された分散データストアや、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃の検出イベントにおける「初期警告」、監査のためのAPIといった機能だ。これらはすべて、管理された方法で「情報開示」を行うものだ。また、顧客のデータや機能を保護し可用性を確保する能力が、ほかのプロバイダーにはまねできないレベルであるという点で、顧客からの信頼度を高めることにもなるだろう。
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