アップル、Mac OS X 10.6.4でマルウェア対策をひそかにアップデート

文:Elinor Mills(CNET News) 翻訳校正:編集部

2010-06-21 08:17

 Appleが「Snow Leopard」の最新アップデートに、トロイの木馬を利用した、ある攻撃からMacを保護する機能を追加していた。セキュリティ企業Sophosが米国時間6月18日、明らかにした。問題のトロイの木馬は「iPhoto」に見せかけて配布され、マシンのバックドアを開く。

 Appleは、15日に「Mac OS X 10.6.4」をリリースした際、VPN接続との互換性の問題などに対処したと述べたが、マルウェア対策機能をアップデートしたことについては言及しなかった。

 しかし実際は、Macをターゲットとしたマルウェアのシグネチャを含むファイルである、XProtect.plistファイルがアップデートされている。SophosのGraham Clulely氏はブログ投稿で、これらのシグネチャにより、「HellRTS」と名づけられたマルウェアが検出されるようになったと記している。

 HellRTS(Sophosは「OSX/Pinheard-B」として検出している)は、この数カ月間出回っているトロイの木馬である。Sophosによると、攻撃者は感染したコンピュータを利用して、スパムを送信したり、スクリーンショットをとったり、ファイルにアクセスしたりと、コンピュータをほとんど制御可能になるという。

 Clulely氏は、「残念ながら多くのMacユーザーは、自分のコンピュータ上で動作するセキュリティ脅威に気が付いていないようだ。Appleが、今回のようなマルウェア対策のセキュリティアップデートを、何を提供したのかを公表することなく、ひそかに発行していたのでは、その状況は改善されない」と記している。「今回のようなマルウェア対策のセキュリティアップデートについて何も発言しないのは、何かマーケティング上の理由によるものなのかと疑わざるを得ない。『Mac OS X上でマルウェア保護対策を講じなければならないことをユーザーに言ってはならない』ということなのか」(Clulely氏)

 18日夜遅くに電子メールでコメントを求めたが、Apple関係者らからの回答を得ることはできなかった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]