Nokiaは、同社OS「Symbian」に何年も投資してきたにもかかわらず、Appleの「iPhone」などのハイエンドスマートフォンに対抗する製品に、Symbianの代わりにLinuxベースの「MeeGo」を採用することにした。
NokiaはCNET Australiaに対し、同社の主力製品であるNシリーズスマートフォンにSymbianが搭載されるのは「Nokia N8」が最後になると述べ、Reutersとのインタビューでもこの動きを認めた。「今後、Nシリーズ端末は今後、MeeGoをベースとする予定である」とNokiaの広報担当者は述べたが、製品ラインの下位機種ではSymbianの提供を続ける予定である。
数年前、Nokiaは最大の携帯電話メーカーであったが、最近はその過去の栄光を取り戻せずに苦戦している。同社は完全なコントロールを手に入れるべくSymbianを買収し、その後これをオープンソースソフトウェアとしてリリースしたが、Nシリーズに対する今回の変更は、Symbianに対する同社のその賭けが、同OSに最高レベルの競争力を持たせるには十分でなかったことを表している。
これとは対照的に「iPhone 4」は、モバイル市場におけるAppleの多大な影響力をますます増大させているようである。アプリケーション開発者らの製品は、同じく「iOS」を搭載する「iPod touch」や「iPad」でも動作する。同時にGoogleは、「Android」OSによって着実に成長を遂げている。毎日16万台のAndroid搭載電話がアクティベートされており、多くのパートナー企業がAndroidベースのタブレットなどの端末を計画している。
Symbianがモバイルを起源とするのに対し、AndroidとiOSは、携帯端末を対象としているが、もともとはパーソナルコンピュータから派生したものである。その差が間違いなく、単一目的の電話よりも小型の汎用コンピュータに似ている、新しい時代の携帯端末に適したものとなっている。ユーザーは、通話やテキストメッセージングだけでなく、電子メール、ウェブ閲覧、ゲームにも携帯電話を利用する。また、電話にもともと搭載されている限られたアプリケーションを使用するのではなく、アプリケーションストアから新しいソフトウェアを追加できる。
MeeGoも、この汎用のカテゴリに分類される。MeeGoは、Nokiaの「Maemo」とIntelの「Moblin」という2つのLinuxプロジェクトを組み合わせて、2010年に入って誕生したOSである。
米国太平洋夏時間午前7時50分の更新情報:Symbian Foundationは声明で、同OSのサポートを継続する予定であり、需要も高い状態が続いていると述べた。
「Symbianは、Nokiaと共同で、今後のXシリーズ、Cシリーズ、Eシリーズのスマートフォンすべてに対し、同OSを提供する予定である。これは高品質スマートフォンに対する世界の要求に対応しつつ、手頃な価格となるように、これらのシリーズを進化させるための動きである。Symbianベースのスマートフォンに対する需要は今もなお高い」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。