その後、技術者からは容赦なく英語で質問が飛んだ。電子母子手帳を普及させ、医療の行き届かない場所の住民でも母子の健康状態を管理できるシステムを発表したCLFSに対しては「インターネットの接続環境のない場所ではどうするのか」、旅行者の手荷物の空き容量を利用して貧困地に物資を送るシステムを発表したPAKENには「どの場所に何が必要か、どこでわかるようになっているのか」など、世界大会の本番に近い雰囲気で質疑応答が進められ、学生らもできるだけ英語で応答していた。
第8回目の研修は、マイクロソフトでも社員研修を担当しているネイティブ講師が、学生たちに英語レッスンを行った。すでに英語レッスンは4回目となっている。講師のAdrienne Gilliver氏は「最初のレッスン時と比べると皆大きく成長した。先週と比べても、発音や声の大きさなど格段に上達している」と、学生たちの努力をたたえている。
英語レッスンは今回が最終回とあって、各チームがプレゼンを披露した後、Gilliver氏はプレゼンに出てくる細かい単語の発音や言い回しをチェックし、「私だけじゃなく観客全員を見るように。そしてもっと笑って、ジェスチャーもつけて」と、プレゼンの印象についてもアドバイス。さらには、審査員からの質問に答えられない場合の対処法として、「それはいい視点なので、今後の課題として研究を続けたい」などと返してはどうか、とアドバイスした。
英語レッスンや技術者のフィードバックのほかにも、研修はプレゼンテーションレッスンを中心に行われた。事前にさまざまな人の前でプレゼンする機会があるだけでも、学生たちにとっては大きな成長のきっかけとなるだろう。また、プレゼンの内容についても各回でさまざまなアドバイスを受けており、徐々にブラッシュアップされているようだ。第8回目の研修後も、PAKENのメンバーは「やはりプレゼンにはロールプレイを取り入れよう」と話し合っていた。
Imagine Cup世界大会開催まで1週間を切った。今回の日本代表の活躍が楽しみだ。