ダッシュボードをさらなる分析の入り口に
次の図では、企業のマネジメント向けダッシュボードを示した。ある企業の米国全体での製品カテゴリ別の売上と売上予測を比較している。
地図には各地域の売上が表示されており、地図をクリックして各地域の製品ごとの数値をグラフで見ることもできる。売上予測を下回っている地域はないか、製品の具体的な数値はどうなっているか、簡単にチェックすることができる。地図とグラフとの組み合わせがユーザーには分かりやすい。

次の図は、売上や売上原価、販売コストといった数値を、スライドバーを左右に動かすことで増減させ、純利益がどう変化するかを見られるダッシュボードだ。「What-If分析」の仕組みが入っており、複数の分析軸の変動が最終的には結果にどう影響するかを見るときに便利だ。

ダイナミックダッシュボードは、普段ユーザーが随時(あるいは繰り返し)使用する数多くのレポートを、単一のダッシュボードに集約した構造になっているという。集約した構造であるからダッシュボードを入り口として、高度な分析へとリンクすることが可能になっている。日ごろ手間をかけて作成している業務レポートや分析レポートをダッシュボードに活用できるというのは、Efficiency(効率性)の観点から評価できるだろう。
また、ここでは画面は紹介しないが「ベンチマークによる分析」が興味深いので紹介しておこう。例えば、複数の店舗を展開する企業は、各店舗の業績をどのようにすれば公正に評価することができるだろうか。
各店舗の売上で評価するべきか(総売上)。いや、店舗の面積も考えるべきではないか(単位面積当たりの売上高)。店舗によって取扱商品が異なるので区別すべきではないか(商品による店舗区分)。オープンからの期間も考慮すべきだ(開業月数平均による区分)。店舗周辺の人口密度も影響するのではないか(人口密度に基づく区分)。このように、評価を公正に行うには複数の条件を考慮する必要がある。
そこで、複数のフィルタを組み合わせてベンチマークセットを作成し、店舗をいくつかのグループに分け、そのグループ内で業績を比較することで公正な評価が行えるようになる。こうしたベンチマークを行うと、総売上だけで見ると非常に低い順位にいる店舗が、実はグループ内ではトップの業績だった、といったことが判明する場合がある。こうしたベンチマークの用途は案外広いのではないだろうか。
以上、今回はBIツールの使い勝手がどこまで進歩しているのかについて簡単に見てきた。次回は、ついに実現しつつある「リアルタイムBI」について見てみよう。