今考えると、筆者の提案は2つの重要な点で間違っていた。
アプリケーションだけでなく、ほぼすべてのソフトウェアペイロード(クラウドから送信される1と0の組み合わせ)も同様に重要だった。例えば、ローデータセットやさまざまな「ミドルウェア」、さらにSaaSアプリケーションへの拡張までもが、評価すべきペイロードと見なすことができる。
パッケージ化以上に、記述の方が重要だった。企業ITのような極めて革新的で多様な世界で共通のパッケージフォーマットを実現するのは、ほぼ不可能だ。その上、どこに配備するかを決める前に、ソフトウェアバンドル全体をそれぞれのクラウドプロバイダーへ送信して評価するというのは、非常に効率が悪い。
そのため、筆者はこれらの見解について1週間ほど熟考した後、クラウドインフラストラクチャをより簡単かつリアルタイムに選定できるようにするための、より良い提案の策定に取りかかった。
筆者が提案するのは、筆者が「pCard」と呼んでいるものだ(開発コード名は「Jean-Luc」だろうか)。pCardという名称にしたのは、悪名高い電子名刺フォーマット「vCard」に多少似ているからだ。pCardはある意味で、ソフトウェアペイロード用のテレホンカードのようなものだ。pCardには(シンプルな単一コンテナのペイロードでも、複雑なマルチコンテナの分散型ペイロードでも)、サービスプロバイダーが a) ペイロードのニーズに対応できるのか、そして b) そのためにはどのようなサービスが必要なのか(また、コストはどの程度なのか)を判断するために必要な情報が含まれる。
pCardの構造は筆者の当初の提案に非常に近いものだが、実行ファイルではなく記述に重きを置くように修正を加えている。
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