このシングルプラットフォーム・シングルエディタを採用することで「ユーザー部門が考える粒度のままでプロセスを基盤の上に乗せられる」と日本オラクルの井上憲氏(Fusion Middleware事業統括本部ビジネス推進本部マネジャー)は説明する。具体的には、BPELやBPMNといったコアエンジン、業務ルールなどBPMのシステムに必要なコンポーネントの実行環境を統合している。今回のOracle BPM Suite 11gは、現在改訂が進められているBPMN 2.0のネイティブ実行に対応する。
ユーザー部門主導でPDCAサイクルを回せないという2つめの課題に対しては、情報システム部門に依頼することなく、ユーザー部門が自らプロセスを変更できるツール「プロセス・コンポーザー」を提供する。このツールは、ブラウザから利用でき、GUIをベースにすることで直感的な操作でプロセスを変更できるようになっている。
プロセスの変更では、業務ルールも簡単に変えられるようになっていなければいけない。ここで言う業務ルールとはたとえば「顧客の年収が100万円未満の場合は取締役の承認が必要」「遅延支払いをした顧客には、次回の購入に2%の追加手数料を加算」といったものであり、こうした業務ルールもユーザー部門が自ら設定・変更できるようになっている。
コミュニケーションが必要となる業務プロセスをシステムに落とし込めていないという3つめの課題について、Oracle BPM Suite 11gでは業務プロセスと、その稼働状況を共有するワークスペース機能「Process Space」を提供する。また、「Oracle WebCenter Suite」と連携することで、ブログなどのソーシャルメディアも含めた一元的な情報参照ができるようにもなるという。