太陽生命保険は、同社の基幹業務を支える「イメージワークフロー用パソコン」を仮想化してデスクトップクラウド環境を構築、シンクライアント化を実現した。日本IBMが7月28日に発表した。クラウド環境の構築では、日本IBMのクライアント環境仮想化サービス「IBM Smart Business Desktop Cloud」を採用。あわせて、中国でのオフショア開発の環境もデスクトップクラウド環境として構築し、高いセキュリティレベルのシンクライアント化を実現したとしている。
太陽生命およびT&D情報システム(TDS)では、保険業務全般を処理するイメージワークフロー業務処理システムを2002年5月に構築。今回、同システムの更改に合わせ、業務の効率化とセキュリティの強化を目的として、イメージワークフローシステムを利用している本社と支社の約1500台のパソコンを対象に、デスクトップクラウド環境の構築とシンクライアント化を目指した。新環境は7月20日に稼働を開始している。
クラウド環境への移行によって、太陽生命保険は全国にまたがる拠点へのソフトウェア配布と、各パソコンへのソフトウェアの導入作業の必要がなくなり、迅速な対応とシステム運用の大幅な効率化を図ることが可能になる。また、パソコンの更改とソフトウェアのバージョンアップとの依存関係が薄れるため、パソコンの長期利用やローカルへのデータ保存が不要になることから、セキュリティ対策の強化も図れるとしている。
また、中国でのオフショア開発の展開においては、システム開発力の強化や効率的な開発、コスト削減などを目的に、デスクトップクラウド環境を構築した。システム開発の製造工程を中国の大連で実施する体制を確立しており、新開発環境は5月から稼働している。