こうした問題に対処するため、各社がさまざまな技術開発を行なったが、Isilonもその1社ということになる。
当時この問題に取り組んだユーザー企業各社は、スマートで高い技術力を有しており、解決すべき問題についてもよく理解していた。一方でこうしたユーザーは、当時ハイパフォーマンスなUNIXべースの環境を使っていることが多く、高度にカスタマイズされた環境を利用していたため、データ量増大の問題に対しても、「特定の環境で起こる特定の問題に対応する個別的な解決手法」で解決を図る形となっていた。
その後、2002年以降になると、もっと幅広いアプリケーションに利用可能な技術が求められるようになってきた結果、Isilonの技術とソリューションの評価が高まったのだ。現時点でのスケールアウト型ストレージ市場では、Isilonが独立系ストレージベンダーとして唯一利益を上げており、他社はより大きなITベンダーに買収されたり破綻したり、あるいはまだ黒字化できていない、といった状況に陥っているようだ。
今、スケールアウト型ストレージ市場には第二の波が起こっていると見ている。それは、一般のエンタープライズユーザーがスケールアウト型ストレージに関心を持ち始めていることだ。その背景には、3つの要因がある。