それぞれの役割を明確に、無駄のない配置で運用を
中継するイベントの規模によってチームメンバーの人数や機材などが増えることはありますが、配信現場は可能な限り小規模の運用を心掛けています。基本体制は、カメラマン、調整(機材、ネットワーク、カメラの切り替えなど)を2名で担当し、これとは別にTwitter担当が配置され、ソーシャルストリームに書き込んでいます。調整担当がTwitter担当を兼任する場合もあります。
小規模運用の場合、それぞれの役割を明確にして、無駄のない配置をしておくことが重要です。カメラマン、調整担当、Twitter担当がそれぞれにイベントのタイムラインにしたがって取り組むことが不可欠です。また、トラブルはつきものと言いますが、事前のテストはできるだけやっています。少人数なだけに、トラブルが発生すると、チームの動きが悪くなりますので、こうした事前のテストはとても重要だと考えています。
リアルタイムでバイイング・シグナルを受信
Ustreamで中継することにより、イベント会場に来ることができない方々へ効率的にコンテンツを提供できました。毎回100名前後の方々に視聴いただいています。また、オラクルについてのディスカッションもTwitterやチャット上で行われており、Ustreamとの連携によってさらなるエンゲージメント(絆)が生じています。
先述のクラウド・コンピューティング・サミットというイベントでは、視聴者の方々から直接質問をいただいたり、あるいは、さらに詳しい情報を得たいなどのいわゆるバイイング・シグナルを受信することができました。
過去のこうしたイベントでは、バイイング・シグナルを私たちが知覚するのは、イベントが終了してからずいぶん経ってからというのが常識でしたが、Ustreamなどを活用することで、これらをリアルタイムに近づけることができるのです。
導入コストについては機材費のみですので、十数万円程度です。画質や音質の向上に苦労しました。最小の投資で最大の効果を、という視点で取り組みながら、私たちの目指す品質を探り当てました。
まず基本的なことですが、ただ音声や映像が配信できればいいというものではなく、聞き取りやすい音声、音量、雑音の排除に取り組みました。ネットワークに臨場感のある音声を乗せるためには、オーディオインターフェースやミキサーはやはり必要であると言えるでしょう。
また、映像については、プレゼンターの表情だけではなく、プレゼンテーションに使われる資料をどこまで表現できるか、文字は滲んでいないか、色は飛んでいないかなどのチェックポイントをクリアすることです。このためにはある程度高解像度対応のカメラやネットワーク回線が必要となってくるでしょう。
今後も技術勉強会や、社内関連のイベント、視聴者との合同会議、海外最新情報の速報生中継をはじめ、よりコミュニティとのエンゲージメント(赤い糸、絆)を強めるインタラクティブなセッションをやってみたいと思います。