セールスフォース・ドットコムは8月10日、脚本家の倉本聰氏が率いる演劇集団「富良野GROUP」が、公演チケットの販売管理に「Salesforce CRM」を導入したと発表した。導入決定からわずか約1週間でカスタマイズを行い、本格稼働を開始したという。
富良野GROUPの公演では、チケット販売や会場運営を地元ボランティアおよび劇団員が担っている。しかし、チケットは種類が多いだけでなく、フリーペーパーの広告掲載枠に応じたチケット割り当てなど、さまざまな経路で販売されており、販売記録が紙やExcel、テキストファイルなど、ばらばらに管理されていた。そのため、富良野GROUPは運営スタイルの効率化を目指し、システムの導入を検討していたという。
セールスフォースは、政府が進める「エコポイント」の管理システムを受注し、約3週間でサービスの提供を開始した実績を持つが、富良野GROUPでの採用はこの事例がきっかけになったという。富良野GROUP実行委員会は、ウェブサイトの情報やYouTubeに掲載されている解説ビデオなどをもとに検討を行い、富良野演劇工場での2010年夏公演となる「歸国(きこく)」のチケット販売開始にあわせて4月下旬に導入を決定。以降約1週間でカスタマイズし、夏公演のチケット販売が本格開始する5月15日には稼働を開始したという。稼働後は、チケット販売に関わる全スタッフが、日々の行動をSalesforce CRMに登録するとともに、当日販売や修学旅行などの目的別販売先も区分けし、ダッシュボードを使って傾向を把握できるようにしている。
富良野GROUPは、シナリオライターと俳優を養成する「富良野塾」の塾生OBを中心に、倉本氏が2006年に立ち上げた演劇集団。冬と夏の2回、年間約30日間、富良野演劇工場で公演を行っている。富良野GROUP実行委員会では今後、冬公演に向けてWeb-to-リード機能を活用し、ウェブサイトからの問い合わせや申し込み受付の機能も活用していく予定だという。