#5 話が伝わらないとイライラして相手を攻め、自分の殻に閉じこもってしまう
基本的に自分の能力に自信がある人に多い。自分の意見ややり方が通じないとイライラして、他人に対する攻撃性を持ってしまう短気な性格でもある。そのため、優しさとか、人当たりのよさを身につけにくいのだ。だから、優しさや人当たりのよさを重視する集団からは排除されやすい。いわば、とても「イタい人」として嫌がられ、人格的に評価されなくなるわけだ。
しかし、それは本人が望むことではない。だから、結果的に自分の中に逃げ込むという悪循環に陥ることになる。必要なのは「尊重」だ。相手のベースやスタイル、状況や考え方を斟酌して尊重し、性急に物事を進めようとしないことだ。
#6 友人の数は多いが、腹を割って話のできる仲間は少ない
ホンネをさらけ出せる関係を築くには、時間と実績が必要だ。それができるのは、学生時代をいっしょに過ごした仲間ぐらいだろう。そこでまず「腹を割る」ということがどういうことか考えたい。
この語源は、仏像の「腹」のあたりがたいてい空洞になっていて、そこへ寺の大切なお経をしまっておいたことから発している。このお経は胎蔵経と呼ばれ、仏像の腹は貴重な寺の宝をしまっておく倉庫として使われた。また、昔の日本人は、大切なことは腹で考えると思っていたらしく、「腹構え(はらがまえ)」や「腹癒せ(はらいせ)」などの言葉にその名残がある。
つまり、「腹を割る」ということは、仏像の腹に収まっているお経を、その価値を理解する相手と共有することであり、転じて「価値観を共有できる」ことなのだ。意外に思うかもしれないが、この意味でいえば、目標を共有する職場の上司や同僚も実は「腹を割った」仲間だといえるのだ。