NECとBCC、福岡県糟屋南部3町に基幹業務システムをクラウドで提供

富永恭子(ロビンソン)

2010-10-01 19:42

 NECとBCCは10月1日、福岡県糟屋南部の宇美町、志免町、須恵町の3町に対し、基幹業務システムをネットワーク経由で提供するサービスを同日より開始したと発表した。

 同サービスでは、NECの住民情報、税務、国保および年金、財務会計など自治体向け基幹業務パッケージソフト「GPRIMEシリーズ」を糟屋南部3町向けにカスタマイズし、BCCのデータセンターソリューションとして提供する。NECでは、自治体向けのクラウドサービスとして「SaaS型」「共同センター型」「個別対応型」の3方式を提供しており、今回の糟屋南部3町に対しては「共同センター型」で提供するという。

 従来、複数の自治体が基幹システムを共同センタに設置して利用する場合、構成自治体の独自仕様で大幅にカスタマイズしたシステムを自庁内またはデータセンターに設置する形態が主流であり、後から他の自治体が共同利用に参加するのはシステム設計的に困難だったという。しかし今回は、パッケージソフトであるGPRIMEをベースに、福岡県向け帳票対応等のカスタマイズを可能な限り限定するとともに、標準化されたクラウドサービス基盤を利用することで、同県内の自治体の段階的な参加が行いやすくなるとしている。

 同サービスの導入に際し、各町は提供システムに沿って既存業務のプロセスを見直すことで、BPR(Business Process Re-engineering)を実現。各町は、この業務改革とシステムのサービス利用によって業務のプロセスを標準化し、更にデータセンターを利用することにより、これまで基幹システムの構築、運用にかかっていたトータルコスト(TCO)を約40%削減できると見込んでいるという。また、法改正等に伴うシステム変更などの負担を大幅に軽減することも可能になったとしている。

 また、BCCのデータセンターソリューションは、ISO/IEC27001に準拠し、ユーザーエリアごとの施錠などの高いセキュリティ対応に加え、充実した安全対策、24時間365日の運用体制を用意しているという。システムや住民情報等の重要なデータは堅牢でセキュアなデータセンターに置かれることで、災害時における事業継続(BC:Business Continuity)基盤も強化されるとしている。

 さらに今回は、基幹業務システムをクラウドで提供するだけではなく、BCCが各団体の業務システム運用代行のほか、納付書や課税台帳などの基幹業務に付随する帳票出力や出力した帳票の配送等のBPO(Business Process Outsourcing)サービスも提供する。基幹業務運用にかかわるトータルなサービスを提供することで、業務システム運用や管理作業など、職員の業務運用負担を大幅に軽減するとしている。

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