AT&Tジャパンは10月4日、日東電工の世界100カ所を超えるグローバルネットワークの統合とグローバルネットワーク上のマネージド型アプリケーションの導入が完了したことを発表した。日東電工は、全社レベルでの業務効率化と生産性の向上を実現したとしている。
これまで部分最適であったという日東電工のネットワークをAT&Tの国際IP-VPNへ統合することで、総帯域で約9倍のネットワークの高速化を実現したとしている。ネットへのゲートウェイ機能を米国、アジアのAT&Tのデータセンター4カ所と欧州の日東電工のデータセンターに集約することで、グローバル規模でのセキュリティ対策を完了したとしている。
また今回構築したIT基盤には、グローバルでのリモートアクセス基盤の整備も含まれており、現在は、統合前の約2.5倍にあたる1000人以上の従業員が全世界で快適なモバイルアクセスを利用して、効率的に業務をこなしているという。このIT基盤上でマネージド型テレビ会議アプリケーションを利用することで、各拠点間同士のコラボレーション促進も進んでいるとしている。
AT&Tジャパンは日東電工のIT基盤の安定運用のため、バイリンガルのネットワークエンジニアを日東電工に常駐させ、AT&Tのグローバルヘルプデスクと常に連携することで、日本を拠点に統一したルールで24時間365日の運用体制を整備していると説明する。
現在はフェーズ2として、今回のグローバルネットワークに未統合の欧州にある複数拠点の接続と、AT&Tのアムステルダムへのスーパーデータセンターへの移行が進んでおり、2011年2月に統合を完了する予定という。フェーズ2が完了することで、日東電工の海外の全拠点が統合され、データセンターもAT&Tに集約される。
日東電工は、グローバルで事業拠点が追加となる度に個別にネットワーク拡張を続けてきており、グローバルでのネットワークの統合運用管理やセキュリティ対策が必須となっていた。今後のグローバル規模での事業拡大や業務効率化を目的として、“グローバルで戦えるIT基盤”を掲げて、その構築を進めてきたという。