あなたの周りにもいる「イタい人」の10のパターン - (page 3)

富永恭子(ロビンソン)

2010-10-12 09:00

#7:何かにつけて理屈をこねる

 やたらと専門用語を使いたがる。話のほとんどがカタカナ語で埋め尽くされている。何かにつけてウンチクを語りだす。……実はこれらの根底には共通して「自信のなさ」がある。

 心の底では、影響力を持ちたい、支配したいという欲求を抱えながら、自信が持てないために、難解な表現や言葉を使ったり、知識があることをアピールすることで、自分の存在を高めようとしている。しかも、よくしゃべる。ウンチクぐらいであればまだしも、これが「理屈をこねる」「屁理屈をいう」「こじつける」「言い訳する」に発展するとイタさは倍増する。自分に非がある場合でも、理由をつけて弁解するようになっては、周りとの関係もギクシャクしてくる。

 人に影響を与えたいのであれば、的確で短い言葉を選ぶべきだ。長い話や難解な表現はマイナスイメージにしかならない。短い言葉に深い意味を込めることで、相手に大きなイメージを湧かせることができる。

#8:やたら褒めてほしがる

 人間、誰だって他人から評価されたい。熱心にやった仕事ならさらに強くそう思うだろう。しかし、もっと自分の能力を評価してほしいという欲求は、度が過ぎると子どもじみていていささかイタい。

 しかも、それが高じて、他人が賞賛されるのを素直に喜べず、イライラと不機嫌になるようならなおさらだ。そんな時は、賞賛された他人に対して、嫉妬している自分がいるのだ。子どもならいざ知らず、大人になった自分が、そんな心の狭い人間だとは認めたくない。そこで、もっともらしい理由をつけようとする。しかし、その理由がつけられないと不機嫌になってしまうという図式だ。

 自分が損をしているわけでもないのに、他人が得をするのが許せないというのは、我々凡人が凡人たる所以なのかもしれない。この賞賛への「欲求と嫉妬」という背中合わせの関係を克服するには、人間を磨くしかない。

#9:他人の話を聞かない

 人が、欲求不満や不快、葛藤などの精神的なストレスから無意識に自分を守ろうとするとき「防衛機制」という心理的メカニズムが働く。これによって、我々は、心の安定を保つことができるのだが、それが行き過ぎると、厳しい現実から目を背け、自分にとって都合の悪いことはなかったかのように自分を偽る癖がついてしまう。

 「話し上手より聞き上手」と言われるように、他人の話をよく聞き、相手が関心を持っているものに興味を示す人が好感を持たれる。ところが、「聞き上手」はフリだけで、実は何も聞いておらず、ただ自分が話をするタイミングをうかがっているだけという人が時々いる。相手の話に相槌を打つと見せかけて、自分の話に持っていく。しかも、そこからが長く、今度は相手に話すきっかけを与えない。

 こういう人の場合、実はニーズの把握が下手なのが特徴だ。「ヘタな鉄砲も数撃ちゃあたる」とばかりに話をばら撒く。その根底には、「自分のことにしか興味がない」というナルシシズムが存在する。ナルシシズムは、ある意味で自分を守るために起こる心理的退行だ。大事なのは、「内なる敵を知る」こと。自分が何を恐れ、ストレスを感じているのかを知れば、他人の話をゆったりと受け止める余裕も出てくるものだ。

#10:何が言いたいのかわからない

 話の行き先が見えず、何が言いたいのか伝わってこず、いつ結論に至るのか分からないような話は、聞く人をイライラさせる。このタイプの特徴は、何度も同じ話を繰り返すこと。そしてオチがないことだ。

 しかし、話している当人にその自覚はない。この場合は、心理的なものというよりも、そもそも話し方のスキルが不足しているケースが多い。聞き手のニーズを正確に把握していなかったり、観察不足であったり、相手に合わせた言葉を選んで使えていなかったりする。こうした、ニーズの把握やボキャブラリーの増加といった努力をするのと合わせて、しゃべり出す前に、「何のために話すのか」の出発点とゴールを意識し、話全体のイメージを描くように意識してみてはどうだろう。

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