また、さまざまなストレージを仮想化できる「IBM System Storage SAN ボリューム・コントローラー」や、IBM Power Systemsの仮想化技術「PowerVM」でLPARを稼動したまま筐体間移動ができるLive Partition Mobility機能なども「IBMのシステムソフトウェアならではの技術」(Kuznetsova氏)としている。
今後のシステムソフトウェアはどのように進化していくのだろうか。Kuznetsova氏は、「仮想化機能により焦点が当たる」としている。「仮想環境での管理は複雑化しているため、この分野ではよりシンプルに管理できることが求められている。IBMのシステムソフトウェアのロードマップとしても、ハイパーバイザのサポート機能の追加を計画中だ」とKuznetsova氏。
また、業界のトレンドとしては「ワークロードの最適化、さらにはクラウドやSaaSなどデリバリの最適化も注目されている」という。「システムをオンライントランザクションに利用するのか、ビジネス分析に利用するのか、またはその他の用途なのかによって、ワークロードが変わってくる。用途によって最適化されたシステムというものは、ハードウェアとシステムソフトウェア、ミドルウェアを組み合わせて調整した上で構築されている。ここでシステムソフトは、ハードウェアとミドルウェアをうまくつなぐ役目を果たしている」とKuznetsova氏は説明、IBMでもこの分野にはより投資していく予定だとした。
新事業部ができたことで、「IBMとしてのシステムソフトウェア戦略やロードマップ、計画が立てやすくなった」とKuznetsova氏。同氏は、「顧客のこれまでの投資を保護していく。さまざまなプラットフォームやハードウェアに対する投資を無駄にすることなく単一で管理できることが顧客にとって重要なことで、それがIBMのシステムソフトウェアで実現していくことだ」と述べた。