Appleの決算に与える影響は
AppleがMac App Storeをスタートさせる意図だが、当然売上を伸ばす材料と捉えているはず。iPhoneとiPadの好調が伝えられる同社だが、先日発表された第4四半期決算ではMac出荷台数が27%増の389万台と報告されるなど、地合いも悪くない。
App Storeの正確な収支状況は公開されていないが、WWDC 2010における「これまで10億ドルをデベロッパーに支払った」というSteve Jobs CEOの発言をもとに単純計算すると、その時点で開設から2年のApp Storeは年平均14億3000万ドルを売り上げたことになる。
ユーザー数もアプリケーションの平均単価も不明な状況では、売上を推測することはできないが、一般的な感覚でいうと開発工数の多いMac用アプリケーションのほうが単価は高いはず。しかも、新規開発が必要だったことから立ち上がりまで時間を要したApp Storeに比べ、販売中の製品を手直しする程度で出品できるMac App Storeのほうが、売上に貢献する時期は早々に到来すると考えられる。
年14億3000万ドルを売り上げるには、仮にアプリケーションの平均単価が5ドルとすると、年に2億8600万本が必要。平均単価が10ドルならば1億4300万本だ。第4四半期ベースで計算した年間のMac出荷台数が約1200万台という事実からしても、これを超えるのはそう難しいことではないだろう。
以上を勘案すると、Mac App StoreがAppleの決算に与える影響は少なくないものと考えられる。運営システムの大部分がApp Storeと共通であろうことも合わせると、初期投資額や運営コストを低く抑えることができるはずで、その意味でApp Storeとの相乗効果も見込めるだろう。90日後にオープンするMac App Storeのこれからに注目したい。