これまでAppleが“見切った”アーキテクチャとの関連性
今回の件で、Appleによる直接のサポートが終了する具体的なスケジュールが見えてきたが、数年前から予想できたことともいえる。ここでは、その予兆ともいえる出来事をいくつかピックアップしてみよう。
Cocoa-Javaブリッジの廃止
Cocoa-Javaブリッジとは、JavaからCocoaへのアクセスを可能にするAPIであり、Objective-Cが現在ほどの存在感がなかった時期に、Cocoaアプリケーションの開発を助けるものとして注目を集めた。
そのためAppleは、初期のMac OS XでCocoa-Javaブリッジに力を注いでいる。NeXT Softwareから引き継いだWebアプリケーションサーバ製品「WebObjects」をJavaで書き換えるなど、そのままJavaがMac OS Xにおける一大開発言語となりうる状況にあったともいえる。WebObjectsの開発ツールとフレームワークの一部がXcodeに統合されていたことは、その証明になるだろう。
しかし、Appleはその後方針を転換。WWDC 2006において、Cocoa-Javaブリッジを廃止する方針を明らかにしている。WebObjectsの開発ツールも廃止が決定され、オープンソースコミュニティ(EclipseのWOLipsプラグイン)にその開発を委ねることになり、Snow Leopardの現在では、XcodeでWebObjectsプロジェクトを作成できなくなっている。