コンテキストアウェアコンピューティングについては、「ワイヤレス技術の普及や、ノートPC、タブレットPC、スマートフォンなどデバイスの多様化で新しいインターネットの構造が生み出され、それがコンテキストアウェアコンピューティングにつながっていく」とSondergaard氏。つまり、さまざまなデバイスがインターネットにつながることで、「テキストやデータ、グラフィック、オーディオ、ビデオなどと、位置や言語、あるいはユーザーが何を望んでいるかということまでを含めたコンテキストを組み合わせ、これをベースとしたソフトウェアやサービスが登場する」というのだ。Sondergaard氏は、「今後ユーザーの位置情報などからユーザーの行動パターンや何がしたいかなどが判断できるようになる。さまざまな言語にも対応し、マシン間やマシンと人との間での言語変換も可能になる。これはビジネスのあり方にも影響を与えるだろう」と話す。
4つ目のトレンドであるパターンベースストラテジとは、SNS分析やコンテキストアウェアテクノロジ、予測分析ツールなどのパターンベース技術を基盤として情報の中に存在するパターンを見つけ出し、将来をモデル化するという方法だ。「パターンを予測することは今後トレンドとなり、2016年までにすべての企業がこの手法を取る」とSondergaard氏。同氏は、「情報をいかに扱い、分析し、洞察できるかどうかが、勝ち組になるかどうかの分かれ目となる。技術で予測分析は可能になりつつある。これを正しくビジネスに活用することで、付加価値を生み出す力になるだろう」とした。
Sondergaard氏は、これらのトレンドが組み合わさることで、「ITだけでなく、IT業界やベンダそのものが変化し、企業の能力にも影響を与える」という。それはどういうことなのか。Sondergaard氏は、「過去40年間、この業界はITコストとITプロセスの最適化に注力していた。巨大な資金を持つ大企業が次々と企業買収を行って技術をそろえ、これらのテクノロジスタックさえあればITの複雑性が解決できると主張していた。しかし、すべての技術を1ベンダが長期間維持することは不可能だ。今述べた4つのトレンドは、このような大企業のビジネスモデルや価値提案をも変えていくだろう」と述べた。