マカフィー、仮想化環境に特化したウイルス対策製品を発売

岩本有平(編集部)

2010-10-26 18:14

 マカフィーは10月26日、仮想化環境に特化したセキュリティプラットフォーム「McAfee Management for Optimized Virtual Environments(MOVE)」の第1弾製品として、仮想デスクトップ向けのウイルス対策製品「McAfee MOVE Anti-Virus for Virtual Desktops(MOVE AV for Virtual Servers)」および仮想サーバ向けのウイルス対策製品「McAfee MOVE Anti-Virus for Virtual Servers(MOVE AV for Virtual Servers)」の提供を開始した。

 MOVEはマカフィーが6月に発表した仮想化環境のセキュリティ管理最適化ソリューション。マカフィー取締役 常務執行役員 マーケティング本部 本部長の畠中有道氏は、「クラウドというトレンドがある中で、仮想化は無視できない」とMOVEソリューションに取り組む経緯を説明する。またマカフィー SE本部 本部長の松木誠志氏も、ガートナーの発表を引用して「70%の企業や団体が、サーバの一部または全体を仮想化する予定があり、2012年までに5800万台の仮想デスクトップ市場が見込まれる」と加速する仮想化市場の現状を語る。

 しかしその一方で、セキュリティ設計が複雑化するほか、ハイパーバイザーを経由してマルウェアが拡散する可能性が生まれるなど、仮想化によって新たにセキュリティ上の課題が生まれていることを指摘。仮想化環境に適した、堅牢かつ運用性の高いセキュリティが必要だとした。

 MOVE AV for Virtual Desktopsでは、エージェントのみをインストールし、スキャン自体はMOVE Anti-Virus(AV)サーバで実行する。これによってハイパーバイザー上で稼働する仮想デスクトップの集積密度が既存製品の約3倍向上するほか、仮想デスクトップあたりのメモリ使用量が40Mバイト削減されたという(いずれも同社の社内測定値)。MOVE AVサーバでのスキャン時には、キャッシュを活用することでスキャンの重複を防ぐほか、サーバを二重化して耐障害性を高めることもできる。

 MOVE AV for Virtual Serversでは、ハイパーバイザーの負荷が高い場合にはスキャンの実行を延期するなど、業務とスキャンが競合してサーバのリソースが枯渇することを防ぐよう、最適化されている。オフライン環境の仮想マシンイメージをスキャンする「McAfee VirusScan Enterprise for Offline Virtual Images(VSE for OVI)」との混在環境にも対応する。いずれの製品も、MOVEの管理コンソール「McAfee ePolicy Orchestrator(ePO)」にてポリシーを一元管理できる。

  • 「MOVE Anti-Virus for Virtual Desktops」の特徴や構成

  • ウイルススキャンをサーバで処理することで負荷を軽減する

  • 「MOVE Anti-Virus for Virtual Servers」の特徴や構成

 価格はMOVE Anti-Virus for Virtual Desktopsが1ライセンス2520円(最低11ライセンスから。初年度サポート料込み)から、MOVE Anti-Virus for Virtual Serversが5万400円(最低1ライセンスから。初年度サポート料込み)からとなる。現時点ではMicrosoftの仮想化環境「Hyper-V」に対応していないが、今後対応する予定だという。

両製品の動作環境は以下の通り。

  • McAfee MOVE Anti-Virus for Virtual Desktops
    仮想化環境:Citrix XenDesktop、VMware View
    仮想デスクトップ:Windows XP SP2以降(32bit)、Windows 7(32bit/64bit)
  • McAfee MOVE Anti-Virus for Virtual Servers
    仮想化環境:Citrix XenServer 5.5、VMWare vSphere 4.0
    仮想システム:Windows XP(x86、AMD64)、Windows Vista(x86、AMD64)、Windows 7(x86、AMD64)、Windows 2003 Server(x86、AMD64)、Windows 2008 Server(x86、AMD64)、Windows 2008 R2(AMD64)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. セキュリティ

    VPNの欠点を理解し、ハイブリッドインフラを支えるゼロトラストの有効性を確認する

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]