ビジネスアプリもマルチスクリーン化
「マルチスクリーンの革命はエンタープライズアプリケーションの世界にも起こっている」とLynch氏は言う。スマートフォンやタブレットといった機器が高いパワーを持ち、人々の生活に深く入り込むことで、確実にエンタープライズアプリケーションの「マルチスクリーン化」は進行している。
Adobeは、7月にエンタープライズコンテンツ管理(ECM)システムベンダーであるスイスのDay Softwareを買収しているが、MAX 2010初日の基調講演には、同社のCTOであるDavid Nuescheler氏が登場。同社のコンテンツ管理システムについて披露した。
クライアント環境のマルチスクリーン化によって問題となるのは、それぞれのデバイス向けのコンテンツを管理するためのコストが増加する点にある。Nuescheler氏は、同社のECMについて、「アウトオブボックスですぐに使える点」「さまざまなデバイスでのプレビューシミュレーションが可能な点」に加え、“Live Copy”と呼ばれる、1つのコンテンツを修正した場合に、ほかのデバイス向けのコンテンツの同じ部分を素早く同期できる機能があることなどを利点として挙げた。
またLynch氏は、企業内での活用事例として、カナダのトロントにある病院でFlash Platformを使って構築したという診断システムを披露した。これはFlex 4.5 betaを利用したもので、PCだけでなくタブレット機での利用も可能になっている。採用理由としては「コントロールされた環境の構築と多様なデバイスでの利用」が可能な点を挙げており、人体のスキャン画像を高精細で表示でき、ディスプレイ上で実際の診断までできるという。
また、こうしたシステムを動作させることができるパワフルなタブレット機として「BlackBerry PlayBook」を紹介。RIMのプレジデントであるMike Lazaridis氏がゲストとして登場し、PlayBookではAIRアプリケーションのマルチタスキングが快適に実行できるなど、同タブレット機がFlashテクノロジに最適化されている点をアピールした。