SAS Instituteは10月26〜28日の3日間に渡り、Las Vegasで「The Premier Business Leadership Series」と題するイベントを開催した。今回掲げられているキーワードは“Innovate. Optimize. Transform.”(革新、最適化、変革)だ。
ビジネス課題からスタートすること
The Premier Business Leadership Seriesというイベント名からも伺えるとおり、ソフトウェア企業のイベントではあっても、製品やテクノロジを前面に押し出すことはない。企業が現在直面する課題を指摘し、解決のためのヒントを提示するといった、ビジネス色が強いイベントとなっている。
参加者も、エンジニアやCIOといったIT畑ではなく、CEOなど経営トップが多いようだ。SASのソフトウェアの優位性やテクノロジの独自性を直接アピールするのではなく、企業が直面する課題を明確にした上で、その解決手段としてSASのソフトウェアが役立ちます、ということを間接的にアピールする場といってよいだろう。
26日に組まれていたのは夜のレセプションのみなので、実質的な開催初日は27日。午前に3つのゼネラルセッションが開催されたが、うち2本はパネルディスカッション形式、しかも3つの講演全てでITの話題にはほとんど触れられなかった。
「Turning Innovation into Realization」と題する基調講演が行なわれたが、これもITの話では全くなく、大まかに言ってしまえば「企業が自己改革を実現するために必要な発想の転換の仕方を教授する」という内容だった。講演したのは、ダートマス・カレッジのビジネススクール教授、Vijay Govindarajan氏(Strategy expert, International Business Professor and Director for the Tuck Center for Global Leadership, Dartmouth College)だ。