Sybaseはデータベースベンダーとして知られるが、いち早くモバイル技術にも着手していた。モバイル対応のためのプラットフォームとなる「Sybase Unwired Platform」(SUP)をはじめ、メッセージングネットワークの「Sybase 360」、デバイス管理「Sybase Afaria」などがある。
Stephan氏はSAPの描くモバイルエンタープライズを大きく3つのステップで説明してくれた。
- 従業員のモバイル化
- サプライヤーのモバイル化
- エンドユーザー(コンシューマー)のモバイル化
従業員とサプライヤーはSUPを利用することになるが、Stephan氏が何度も強調したのが「あらゆる端末をサポートする」「それぞれの端末に合わせた直感的ユーザーインターフェースの提供」の2点だ。「SAP Business Suiteなどバックエンドとの統合作業は対応端末機種に関係なく1度で済む」とも述べる。
最後のコンシューマーは、SAPのCTO、Vishal Sikka氏に“SAPが打ち出す新しいエンタープライズ”について聞いた際、「BtoBtoC」としてキーワードに挙がった。
その具体例となるのがモバイルクーポンだ。
「現在のバーコードを印刷した紙から、個人情報とリンクしてカスタマイズしたモバイル経由でのクーポン提供は、利便性を大きく改善する」とStephan氏。企業は瞬時に顧客の利用に関するデータを収集、分析できるため、顧客と企業の両方に大きなメリットをもたらすという。
このようなアプリケーションはモバイルなしには実現できないサービスであり、単に既存のアプリケーションをモバイル化することから、一歩進んだ活用例となる。