わたしは、KDEの開発チームがバージョン4.5で実現した進歩に驚いている。このデスクトップ環境は、わたしが(最悪だった4.0から)予想していたものに比べ長足の進歩を遂げていただけではなく、どんなLinuxユーザーでも喜んで使えるものに様変わりしていた。KDE 4.5はGNOMEと同じくらい安定しており、応答性が高く、あらゆるデスクトップと同じくらい柔軟性がある。
だが、デスクトップそのもの以上に、KDEは数多くの優れたツールを備えている。もしまだ試したことがないのなら、あなたは自分が何を見逃しているかを知らないのだ。この記事では、読者の興味を引くかも知れない、それらのツールをいくつか紹介することにしよう。これらのツールは分野も役割も様々で、幅広いタイプのユーザーが興味を持つはずだ。
1.KMail
KMailは、MacからLinuxに移行しようとしており、Apple Mailが好きな(好きだった)ユーザーには重要だ。KMailの見た目はApple Mailに似ていて、機能も充実しており、扱いには困らないだろう。KMailの大きな欠点は、Exchangeサーバに接続するには、サーバ側でIMAPを有効にしている必要があることだ。KMailは、グループウェアスイートであるKontactの一部でもある。Kontactは他のグループウェア群と十分に対抗できるものだ。Exchangeとの統合の面が弱いが、Kolab、OpenXchange、GroupWiseなどの他のグループウェアサーバとは接続可能だ。
2.KRDC
KRDCは、RDPとVNCの両方のサーバに接続可能な、強力なリモートデスクトップクライアントだ。KRDCはKDE 4.0のリリースに同梱されるにあたり、Google Summer of Code 2007で完全にオーバーホールされた。KRDCは、タブインターフェース、フルスクリーンモード、Windows版の移植、KDE Walletのサポート、新しい設定ウィザードを備えている。サーバへの接続は非常に簡単で、どんなレベルのユーザーでも扱えるはずだ。
3.Kexi
KexiはLinuxユーザーがMicrosoft Accessで作成されたデータベースを、利用・再利用できるようにしてくれる。他にMySQLとPostgreSQLのデータベースも読むことができる。Kexiは、データベース、テーブル、データの作成を行うためのGUI、クエリの実行、パラメトリッククエリのサポートなど多くの機能を提供する、使いやすいGUIを持っている。Kexiではその強力なGUIから、テーブル、クエリ、フォーム、レポート、スクリプトを作成することができる。