iPadにはビジネス需要がある--SAPのCIO、コンシューマライゼーションに挑む - (page 2)

末岡洋子

2010-11-11 12:27

 2つ目は、イノベーションに積極的になることで、今はエンタープライズモビリティとインメモリという2つの分野に取り組んでいます。SAPのIT部門では現在、“エンタープライズモビリティでトップになる”をメッセージにしています。インメモリについては、Chief Enterprise Architectのチームと共同で、エンタープライズでの活用領域を探っています。

 インメモリ技術活用の1つのシナリオとして営業があります。社内に存在する3テラバイト分のCRMシステムのデータ、67万のオポチュニティ(案件)、1200万件のレコードを「High-performance Analytic Appliance(HANA)」に投入しました。リアルタイムアップデートには、Sybaseのデータベースレプリケーターを利用しています。圧縮率は10倍なのでデータは300Gバイトになり、データベースをまるごとサーバのメモリに移行できます。速度は飛躍的に改善します。今後、他のシナリオにも拡大していきます。

 3つ目はサスティナビリティ(持続可能性)です。SAPはソフトウェアのリーダーですが、サスティナビリティ分野でもトップ企業を目指します。Dow Jonesのサスティナビリティ指標「Dow Jones Sustainability Indexes」で、SAPはハイテク業界でトップに位置づけられています。

 CO2排出を削減するにあたり、われわれは明確な目標を設定しています。約180ものサスティナビリティKPIを利用し、透明性を実現しているのです。四半期毎の財務報告書が事業を引っ張るドライバーとなっているように、サスティナビリティでもレポートにより意識を高めます。目標に達成しなかった場合は、SAPのサスティナビリティ責任者が原因を分析しています。

 以上、3つの意思決定を挙げましたが、私はハイテク企業であればトレンドに敏感で、最先端を走らなければならないと思っています。センスを磨き、これを製品プランに反映させていく――このようなマインドチェンジを牽引してきました。すでに結果は出てきていると思います。今後は成功体験を共有して効果を高めたいと思っています。

iPadには明確に需要がある

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