ウェブベースのアプリケーションで、ブラウザを起動しているコンピュータ上にデータを保存できるようにしようという試みが、少なくとも技術の標準化という面では終わりを迎えた。
この技術は「Web SQL Database」と呼ばれるもので、ブラウザに「SQLite」データベースを組み込むことにより、プログラマーは一般的なSQL技術を使用してデータを読み書きできる。Web SQL Databaseはさまざまな点で便利な技術だが、おそらく最も注目すべきは、情報をキャッシュすることによってコンピュータがネットワークに接続されていなくても情報を取得できる点だろう。現在、多くのウェブアプリケーションにとってこれは大きな課題となっている。
だがWorld Wide Web Consortium(W3C)は米国時間11月18日、Web SQL Databaseの仕様を正式に廃止した。これにより開発者は今後Web SQL Databaseへの期待を捨て、自己責任で使用するよう警告された格好だ。Web SQL Databaseの仕様を説明するページには、次のような警告文が目立つ形で記載されている。「注意。この仕様は更新管理を中止しており、Web Applications Working Groupは今後、管理を続けていく意向を持っていない」
Web SQL Databaseは当初、将来有望とされていた。AppleとGoogleが支持を表明し、Opera Softwareも実装に動いたが、MicrosoftとMozillaは拒否する姿勢を示した。両社はこれに代わる技術として「Indexed Database API」(「IndexedDB」または「IndexDB」)を支持している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。