CIOが戦略的な意思決定を後押しするためには?ASGの助言

2010-12-08 10:35

CMDBの賢い選択−CIOがビジネスの場で取るべき選択

 CMDBへの注目の大半は、ITコストを削減できるというメリットに根ざすものだ。だがASGは、あまり論じられない利点として、意思決定者に対する明白なビジネス価値の創出があると指摘している。効果的なCMDBの選択によって、コストと見なされたITがビジネスを実現する要因になるというのだ。

 では最適なCMDBが提供する価値とはなんだろうか。主要CMDBプロバイダの多くは、データの格納と管理に従来のデータベース管理システムを利用している。だが実は、こうした管理手法では一般的にBSM(ビジネスサービス管理)の要件は満たしていないとASGは指摘する。その境目は何であり、足りない要素は何なのだろうか?ASGが挙げるのは、「メタデータ・リポジトリ」の概念だ。

 メタデータとは、実際のデータに対するインデックス情報を構造化したものといえる。単純な考え方としては、図書館の大きな棚に格納された膨大な蔵書カードについて、どの分野のどういった本についてのカードが、どの棚に収められているかを電子化したデータベースを想像すればいい。メタデータの導入により、従来の紙ベースのデータであっても、最小限のステップで電子的な検索や共有などが実現する。これが企業活動にも完全に当てはまるのだ。データの状況を把握し、それに基づく意思決定が可能になる。このようなデータ構造を構築しておけば、時間の変化とともに発生するデータ構造の変化についても追従が可能だ。

 なおASGでは、統合化された「metaCMDB」が実現する、企業全体の多様なデータを統合・標準化することの利点を強調している(詳しくはホワイトペーパーにて)。

 

調査結果が示唆する、ダッシュボード使用とビジネス成功の因果関係

 続いてはまず、2009年第4四半期に北米地域を中心に行われた調査結果をご紹介する。アナリストとASGが共同で、従業員500人以上の企業の107人に対し、エグゼクティブダッシュボードの採用について調べたものだ。

 そこで得られた結果を抜粋すると、増収企業の担当者は86%が「完全に」または「定期的に」ダッシュボードに依存していたのに対し、減収企業の担当者は72%が依存していなかった。ASGはこれについて、先進的なダッシュボードを支持する層は、より進んでIT とビジネスの対話の改善に貢献する傾向があると評している。また認識された利益としては、回答者の3分の2が「金銭的な利益をはっきり見た」と明言したとしている。ドルでの価値に換算して尋ねたところ、約半分が25万ドル以上の価値、29%ほどは50万ドル以上と答えたということだ。また投資意欲については20万ドルが平均となった。

 エグゼクティブダッシュボードの選択基準とは、どのような部分にあるのだろうか。よくデザインされ、複数のソースの情報について収集と調整が可能なダッシュボードは、短期・長期いずれの戦略上でも十分な価値をもたらす。ここではニーズに応じた分析、データの整合性の確保が可能な高度な同化作用が求められるだろう。ASGでは自社のダッシュボード製品について、3層のアーキテクチャを採用し、認識性を高めるアプローチを採用した。プレゼンテーション層、統合層、インターフェース層に分かれたダッシュボードにより、ITやビジネスリソースへの柔軟なアクセスを実現するとしている。

ITサービス管理とビジネス成果を結びつける「魔法の杖」はない

 未成熟な段階のIT部門や組織が、重要な製品の集約から脱却し、ITとビジネスサービスの相互依存な関係を可視化しようとすることは非常に重要だ。決まった成功のパターンは決して存在しないが、CMDBやエグゼクティブダッシュボードなどを通じ、信頼できるソースを構築、運用する事で、限られた時間の中で最大限の価値を創出する事が可能になるとASGは提案している。ここまで紹介した2つのテーマについて、詳しくホワイトペーパーでそれぞれ確認していただきたい。

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