ITホールディングスグループのインテックシステム研究所は12月14日、ソフトウェア「EXAGE」の使用許諾ライセンスを2011年2月1日から提供開始すると発表した。
EXAGEは、インテックシステム研究所が独自に研究し、開発を行ったPaaS(Platform as a service)環境構築のためのソフトウェア技術。システムやサービスの拡張、維持に費やすコスト、ダウンタイム、アクセス集中によるサービス遅延といった課題を解決するものという。今回、EXAGEの第1弾として、IAサーバとスイッチを用いてスケールアウトストレージを実現する「リアルクラウドソフトウェア EXAGE/Storage 2.0」を発表した。今後は、「NOSQL(Not Only SQL)」等の PaaS機能の発表を予定しているという。
インテックシステム研究所では、膨大な計算資源や格納容量を1つの処理能力や論理空間として利用可能な技術を「リアルクラウド」と呼ぶ。EXAGE/storage 2.0は、多数の廉価なサーバを巨大な1つのコンピュータ資源として利用できる、スケールアウト型のストレージソフトウェア。構成するアクセスサーバを増やすことでファイルI/Oを分割し、トータルのパフォーマンスを向上させて、処理性能を拡張する。また、コアサーバを増やすことによって格納容量も増大させることができるとしている。大きなファイルでも分割して並列処理することで高速に読み書きを実行できる。さらに、1つのデータが常に複数個所に存在し、それを自動で維持または拡大することで自律的にフェールオーバーによる障害回避、リビルド、再配置によるデータ冗長性を維持することができるとしている。
また、運用面での特徴としては、単一障害点(Single Point of failure)が無いこと、および構成するサーバの故障時の交換や増設対応の場合に全体を止める必要がない点をあげる。これらの特徴は、データセンター事業者に運用の効率性向上や信頼性向上といったメリットをもたらすという。
同社では、EXAGE/storage 2.0の適用例として、動画、コンピュータグラフィックス 3D画像などの巨大ファイルの格納、急激なアクセス増加の可能性があるコンテンツの格納、サーバ仮想化ソリューションにおける共有ストレージを挙げている。EXAGE/storage 2.0は、利用するIAサーバの台数に対する月額ライセンスとなる。 使用料金は、1台あたり月間1万700円。
インテックシステム研究所では今後、EXAGE/storage 2.0に続くラインアップとして、NOSQLを実現するデータ処理プラットフォーム「EXAGE/database」、マルチテナント、多地点データセンター接続などを可能にする「EXAGE/storage 3.0」、多様なアプリケーション開発を支援する「EXAGE/Software Development Kit」を提供していく予定という。