通信事業者セキュリティサービス、海外進出企業にあわせた体制強化が必要

吉澤亨史

2010-12-17 14:45

 IDC Japanは12月16日、「国内通信事業者のセキュリティサービス市場規模予測」を発表した。2010年は前年比7.9%増の3099億円となる見込みであり、2011年には前年比12.3%増の3480億円になると予測している。

 2009〜2014年の市場規模推移を分析すると、年間平均成長率(CAGR)は12.4%で2014年の市場規模は5154億円に達する。内訳は、コンサルティングサービスが591億円(CAGRは11.3%)、システム構築サービスが1138億円(同8.4%)、システム運用管理サービスが3417億円(同14.1%)、教育・トレーニングサービスが7億円(同16.1%)と予測している。

 景気後退の影響から大型案件は凍結、延期されるケースが多かったが、リース会計基準の変更への対応やコスト削減を目的として、大企業では自前構築からアウトソーシングサービスへのシフトが継続しているという。一方、IT予算は抑制傾向が続いており、セキュリティサービスでも価格圧力が継続。セキュリティサービスの各機能を単体で提案すると、サービス機能ごとの価格比較となり、単価や利益率の低下が課題となっていると同社は分析している。

 また、生産、販売、開発の拠点として海外展開を進める企業が増加しており、グローバルにガバナンスを利かせる手段として、マネージドセキュリティサービスの需要が高まっていることを受け、グローバルキャリアは、M&Aや他社との提携を通じて、提供エリアの拡大やサービスの標準化への取り組みを進めていると説明している。

 同社コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストである川上晶子氏は「事業者は価格競争を回避するため、幅広い品揃えによる総合提案や段階的なアウトソーシングへの移行プランの提案を行うことで、顧客あたりの単価を高め、収入基盤の拡大を図るべき」としており、またグローバル企業のニーズに対応できる体制作りも必要であるとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. ビジネスアプリケーション

    ITSMに取り組むすべての人へ、概要からツールによる実践まで解説、「ITSMクイックスタートガイド」

  3. セキュリティ

    あなたの会社は大丈夫?--サイバー攻撃対策として必要な情報セキュリティの早分かりガイドブック

  4. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  5. セキュリティ

    いまさら聞けないPPAPの問題点、「脱PPAP」を実現する3つの手法と注目の"第4のアプローチ"とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]