#4:「無能な同僚が俺の足を引っ張る!」
「チームの力が必要なのに、いっこうに協力してくれない」
「なにかというと揚げ足を取るように突っかかってくる」
同僚が自分の足を引っ張る--そんなふうに感じたときは、まず、その同僚の目に、自分がどう映っているのかを想像してみてはどうだろう。相手が自分の足を引っ張るように見えるときは、相手からも自分が足を引っ張るように見られていると考えた方がいい。しかも、それは優劣の問題ではなく、実は自分と相手が目指している方向が、単に「違う」ことから起こっているケースが多い。だから、たいてい相手も自分に対して「違うんだよなぁ」と忸怩たる思いを抱いていたりする。
そんな時、同じチームなら、徹底的に話し合い、意識をすりあわせて、目標への照準を合わせ直すほうが効率がいい。相手が競合するライバルであれば、その違いを知った上で、自分の気持ちを奮い立たせるための刺激にすればいい。
一番もったいないのは、互いが違いを理解せず、また、わかっているのに自分から何も働きかけず、状況や意識を変えないこと。それでは、互いに違う方向を向いたまま一歩も前に進めず、延々と足を引っ張り合うという不毛な行為にエネルギーを費やすことになる。
#5:「指示があいまいでワケがわからない!」
スタートで進む方向を間違えると、ゴールにたどり着けないどころか、進んだ道の距離と同じだけゴールから離れてしまうこともある。「指示があいまいだ」と感じたなら、さっさと上司にその指示の意図を問いただし、自分の目標点やそのためにどう動くべきかを納得いくまではっきりさせよう。
あなたには、「あいまいな指示に妄信的に従う義務」が課せられているのではない。まず「指示の意図を具体的にイメージできるよう、情報収集し、検討し、ゴールを設定する」ことが求められているのだ。万が一、失敗したときに「上司の指示があいまいだったから」を言い訳にしてはならない理由はそこにある。
#6:「給料が安い!」
いくら仕事が好きだといっても、霞を食っては生きられない。高いモチベーションを維持しながら働き続ける上で、サラリーの額は重要な指標のひとつだ。
もし機会があればの話だが、自分の会社の「損益計算書」を読んでみるのはどうだろう。会社の仕組みは単純で「入」と「出」に尽きる。売上からそれに関わる売上原価を引いたものが「売上総利益」で、ここから会社を運営するために必要な費用が支払われていく。その中で売上高に関係なく毎月かかる費用が販売費と一般管理費、俗に言う「販管費」だ。給料や賞与、諸手当はここに含まれる。販管費に含まれるのは給料だけではない。オフィスの家賃や光熱費、通信費、通勤交通費などもここに含まれる。これらの費用が「固定費」と呼ばれる理由はそこにある。会社が人を雇うということは、膨大なお金がかかることでもあるのだ。
会社の業績が不振になると、この固定費が経営を圧迫することになる。だから、給料やボーナスを上げるためには、会社の業績アップに貢献していくしかない。その上で、売上にものすごく貢献しているにもかかわらず、不当に「報酬」が少ないのであれば、会社に交渉すべきだし、それでもダメならさっさと転職しよう。裏付けのある実力があれば、他の会社でも通用するだろうし、仕事によっては独立することも可能だ。
しかし、会社は、高速ネットやPC、ソフトウェアを支給して仕事をする環境を整えてくれるし、必要な交通費だって会社持ち。表面上は見えにくいが、これらも仕事をするあなたに対して会社がかけているお金の一部だ。さらに、仲間がいて、自分のスキルが上がり自信につながれば、それは「お金以外の報酬」ともいえる。
たしかにお金も大事。でも、そのことばかり気にして、モチベーションが振り回されるようでは、つまらないではないか。