3.に関連して、ノークリサーチは中堅中小企業でも自宅や外出先で社内と同じデスクトップ環境を実現したいとユーザー企業は少なくないと見ている。
だが、中堅中小企業でのスマートフォンやタブレット端末の活用は、経営層やITリテラシの低い管理職に対して業績データなどを送って判断を仰ぐなどの、利用者を限定した用途、大量に持ち歩いていたカタログや契約書類を電子化して顧客にみせるといった用途が主体となり、全社員が通常業務で広く利用するといった状況にはなりにくいと予想している。
4.に関連して同社は、中堅中小企業にとって売り上げ拡大が難しい状況が続くと予想しており、そうした状況下では、自社のパフォーマンスを緻密に把握し、細かな改善を積み上げることで収益を確保する取り組みが必要としている。
そうした中から中堅中小企業向けにBIの訴求を検討する価値は十分あると説明する。その際に有効なのが、“オンデマンドなアドホック分析”と“現場レベルの可視化”と提言している。
5.については、中堅中小企業のクライアント環境の最大の課題は情報漏洩としている。マルウェア感染や故意の情報漏洩のリスクは企業規模に関係なく存在しており、クライアントPCの台数と相関の強い運用管理コストよりも、情報漏洩防止をはじめとするセキュリティ関連対策の方に関心が払われていると見ている。
そうした状況から重要なのが、すぐに利用できる業務アプリケーションもサービスに含めてDaaS(Desktop as a Service)を提供すべきとしている。
6.に関連してノークリサーチでは、大企業と同様に中堅中小企業でも海外展開への機運が高まっていると分析。その海外展開では、国内でのIT活用とは大きく異なるノウハウが必要とされていることを中堅中小企業は認識して、冷静にパートナーを選ぼうとしている傾向がうかがえるとしている。
海外展開では、クラウド活用や会計システム刷新へのつながるトリガーでもあり、その過程で委託先の変更が発生する可能性も十分に考えられるとしている。販社やSIerとしては、クラウドによる緩やかな構造変化だけでなく、海外展開によるシステム刷新や委託先変更が起きる可能性についても注意を払うべきと警告している。