日本IBMは1月13日、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)および広島銀行との共同システム向け戦略的アウトソーシング契約を更改したと発表した。
福岡銀行と広島銀行は、競争力がありコストパフォーマンスの高い情報システムインフラ構築を目指して、1999年から基幹システムの共同化を進めている。日本IBMは、その一環として、2002年1月から2012年12月までの11年契約で、情報システムの運用保守業務全般および業務アプリケーションの開発、保守を受託している。
今回、日本IBMは、FFGおよび広島銀行とのパートナーシップ強化を実現するため、契約内容の見直しを行い、戦略的アウトソーシング契約の更改に至ったとしている。新契約は、2011年1月から2018年3月までの7年3カ月間となる。
FFGは、2010年4月から3カ年の中期経営計画「ABCプラン -Always Best for the Customer-」を策定し推進している。同計画の基本方針の1つが「生産性の劇的な向上」であり、その重点取り組みに「ITパフォーマンス向上」を掲げている。一方、広島銀行においても、2009年4月から3カ年の中期計画「STEPS」を推進しており、同計画の重点施策の1つに「事務・IT戦略」を位置づけている。
FFGおよび広島銀行は、新契約において、業務ごとの重要度や品質要件に応じ、クラウドコンピューティングを含めた適切なIT技術の活用により、情報システムインフラの最適配置を実現し、ITコスト全体の削減を目指すとしている。また、情報システムの安定稼働に向けた取り組みの一環として、ネットワーク監視、分析機能の強化およびディスク装置の冗長化機能の強化を図る考えだ。
業務アプリケーションの開発、保守サービスにおいては、開発業務向けのサービス量は維持したまま、管理や保守業務を効率化し、全体として費用を削減したという。今後は、高品質で効率の良い業務アプリケーションの開発、保守を目的に、新しい開発手法の採用やIBMのグローバル開発拠点の活用にも取り組んでいく予定としている。