Googleは、「Google Chrome」でコーデック「H.264」のビルトインサポートを中止するという同社の決断への批判に対する回答として、ウェブビデオの規格にロイヤリティが生じていたのでは、ウェブが制約を受けてしまうと主張した。
Googleの製品マネージャーを務めるMike Jazayeri氏は米国時間1月14日付けのブログ投稿で、<video>タグ内のビデオコーデック規格として「WebM」のみをサポートするという同社の計画について、賛同以上に寄せられている批判に対して回答した。
「われわれの選択は、今決断してプラットフォームを推進するためのオープンな技術に投資するか、プラットフォームが分断化され、ロイヤリティの徴収に多大な関心が寄せられる中で革新が進められるような現状を甘受するかのいずれかであった」と同氏は記した。「この観点からわれわれは、オープンなウェブに賭ける方を選択し、この決断がユーザーと業界の両者に恩恵をもたらす革新を促すだろうと信じている」(Jazayeri氏のブログ投稿)
最大の問題は、HTML5規格の策定を進める5つの組織が、<video>タグの標準コーデックを1つに定めることにとにかく同意しない点であるとJazayeri氏は記している。AppleとMicrosoftは「H.264」の特許ライセンスを管理するMPEG LAを支持しているが、MozillaやOperaは、基本的なウェブ技術が特許の制約を受けないことを強く望んでいる。
「Googleのような企業にとって、ライセンス料は大きな問題ではないかもしれないが、次に現れる素晴らしいビデオ新興企業や新興市場の企業にとっては、ライセンス料が革新の妨げとなる」とJazayeri氏は同投稿に記した。
YouTubeに膨大なビデオのリポジトリを抱えるGoogleは、2種類の異なるビデオ規格を維持することの問題を理解しているとJazayeri氏は記した。しかし、市場の約22%を占める「Firefox」ユーザーにビデオを提供したいと考えるならば、結局H.264以外の規格もサポートせざるを得ないと同氏は記している。
Jazayeri氏は、今後ずっと「Flash」の利用が保証されるのかという問題については直接触れず、「Chrome」はFlashプラグインをサポートし続けるとだけ述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。