「クラウドとナチュラルユーザーインターフェースが発展する」--マイクロソフトCTOが語る未来

藤本京子(編集部) 2011年01月17日 20時31分

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 2011年は、マイクロソフトの創業25周年となる年だ。「この25年間、マイクロソフト日本法人にとっての大きな転換点は3つあった。ひとつは1993年に日本のコンピュータプラットフォームが統一されたこと。次は1995年にBill Gatesがインターネットに注力すると宣言したこと。そして3つ目は2002年にTrustworthy Computing戦略を打ち出したことだ」――マイクロソフト 最高技術責任者の加治佐俊一氏は1月17日、メディア向けの説明会にて25年間を振り返り、このように語った。

加治佐俊一氏 マイクロソフト 最高技術責任者 加治佐俊一氏

 加治佐氏は同社役員の中で最も社歴の長い人物で、MS-DOS 1.2やMultiplan 1.0など初期の製品の開発にも関わってきたという。その加治佐氏が見た3つの転換点は、マイクロソフトにとってはもちろんのこと、IT業界全体にとっても印象に残る出来事といえる。

 まず1点目のプラットフォームの統一とは、それまで各社独自のOSを採用していたPCメーカーが、マイクロソフトのプラットフォームを採用したことだ。これにより、「さまざまなPCで動作する共通のプラットフォームができ、過去にはメーカーの異なるPCで動かなかったアプリケーションが共通プラットフォーム上で動くようになった。これはアプリケーションや周辺機器が大幅に増えるきっかけになった」と加治佐氏は言う。

 次の転換点は、Windows 95が発売された1995年だ。Bill Gates氏が12月に「インターネットに注力する」と宣言したのだ。「それ以前のマイクロソフトは、インターネットに本腰を入れていなかった。Windows 95にはInternet Explorerも入っていなかったのだから。それが1995年12月、Bill Gatesはインターネットに非常に大きなチャンスがあるとして、本気で取り組むと宣言した。当時日本ではISDNや(NTTによる夜間電話定額サービスの)テレホーダイなどが普及しはじめた頃で、その後Yahoo! BBの安価なブロードバンドサービスの開始もあり、一気にブロードバンド大国へと進化した」と、加治佐氏は振り返る。

 そして2002年。マイクロソフトは新たな戦略としてTrustworthy Computingを打ち出す。これは、2001年にまん延した「Nimda」や「Code Red」といったウイルスはもちろん、9月11日に発生した米国同時多発テロ事件の影響もあって、セキュリティの重要度が高まった時期だ。加治佐氏は、「コンピュータはすでに社会インフラとしての地位を確立しつつあった。より安全性の高いインフラを目指し、これまでの開発方法を根本から変えるという考えがTrustworthy Computingだ」と説明する。

 「人間の体に例えると、以前はケガをした時にいかに早く治すかという方法だったのが、体の根本から鍛えあげる方法に転換したことになる。Trustworthy Computingを推進するにあたってマイクロソフトでは、ソフトウェアのコードをすべて見なおし、設計時からセキュリティを念頭に入れた開発を行うようになった」(加治佐氏)

 過去を振り返った加治佐氏は次に未来について、「データセンターが変わり、コンテナ型のフォームファクタが中心となるだろう」とした。そして、このようなデータセンターをベースとして、「Windows AzureやOffice 365をはじめ、さまざまなクラウドサービスが展開する」と述べる。

 また加治佐氏は、クラウドが進化するにつれ、「ナチュラルユーザーインターフェースも発展する」としている。「2次元のタッチインターフェースのみならず、空間をうまく使ったインターフェースが登場する。Xbox 360向けのKinectもそうだが、画面だけでなく空間を使い、手元にある何かと連携したインターフェースが発展する。コンピュータがより人間に近づくことになる」と加治佐氏は説明。現在マイクロソフトでは、ソフトウェアで体の動きとコンピュータをつなげて自然言語を処理するといったような研究を進めているという。

 2月1日には社名を日本マイクロソフトへと変更し、本社を品川へと移転させるマイクロソフト。加治佐氏は、「今後、より日本社会に根ざして信頼される企業となるべく努力を続けたい」と述べた。

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