日本IBM、ノリタケカンパニーとのアウトソーシング契約を更改

富永恭子(ロビンソン)

2011-01-27 17:41

 日本IBMとノリタケカンパニーリミテド(ノリタケ)は1月27日、両社が締結していた「システム受託サービス契約」を1年前倒しで更改すると発表した。

 同契約は、両社が情報システムの運用、保守業務全般および業務アプリケーションの開発、保守に関して、2002年7月から2012年3月までの期間において交わしているもの。従来の契約、新契約ともに日本IBMが「戦略的アウトソーシング契約」と位置づけている。新契約の期間は、2011年3月から2017年3月までの6年1カ月間で、従来の契約内容にノリタケの中期経営計画に沿った内容を新しく追加しているという。

 ノリタケは、2010年度から2012年度までの中期経営計画で、「経営体制のスリム化と経営インフラの整備・拡充」などを基本戦略に掲げ、急速に変化する市場に対応した新たな成長路線の構築に取り組んでいる。この中で、ノリタケは、経営インフラの効率化を図るため、グループ会社の統合や組織の再編、海外での事業拡大を目指している。また、IT環境の変化や情報システムのリスク回避を図るほか、内部統制などにも対応していくとしている。

 今回の契約更改にあたり、日本IBMは、これらの課題を情報システムの側から解決していくことを目指し、新契約の提案を行っていたという。新契約では、本社一体化による組織再編や情報システム整備を推進するため、業務アプリケーションの開発、保守の対象を拡大。新たに本社に統合される子会社なども含めたグループ全体において、標準化された開発プロセスを適用していく考えだ。すでに、これまでノリタケが基幹業務向けとして活用しているIBMの統合ビジネスサーバ「IBM System i」を、2010年末から2011年の年始にかけて、ノリタケの自社センターから日本IBMのデータセンターへ移転している。

 また、情報システムの整備においては、各種サーバ群に日本IBMのクラウドサービス「IBMマネージド・クラウド・コンピューティング・サービス(IBM MCCS)」を活用するという。IBM MCCSは、日本IBMのデータセンターからネットワーク経由でメモリやCPUなどのIT資源を従量課金制で提供するクラウドサービス。処理する業務の量に応じて基本使用量を随時設定できると共に、業務量の増加に応じて自動的にIT資源を増やすことができる。ノリタケでは、2010年8月から会計や人事などの業務向けサーバ約30台をIBM MCCSへ移行している。今後は、各システムのライフサイクルに合わせ、2012年7月までに順次、IBM MCCSへ移行していく予定だ。

 さらにノリタケは、海外事業を拡大させるため、グローバル規模での業務改革および標準化を目指している。同社は、日本IBMとのシステム受託契約を1年前倒しで更改することで、重要な経営資源である情報システムの最適化を実現し、ITコスト全体の削減など経営インフラの効率化を早期に実現することを目指す。一方の日本IBMは、海外生産拠点の情報システム早期立ち上げなどを可能にする、効率的な経営インフラ基盤の構築を支援していくという。

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