日本IBMは2月7日、三井住友海上火災保険(三井住友海上)のカスタマーセンターで利用する「お客さま相談システム」を刷新し、新システム「CONTACT-1」を構築したと発表した。CONTACT-1は、1月30日に稼働を開始している。これにより、三井住友海上における顧客からの問い合わせや保険契約変更手続きなどへの対応が迅速になるとしている。
新システムでは、「コンタクト履歴共通管理システム」と呼ばれるカスタマーセンター向けの顧客データベースを構築。顧客からの問い合わせ、保険契約内容の変更、保険金の支払いなど、三井住友海上の各部署ごとに顧客対応した履歴情報を連携、集約できるようにしたという。さらに同社が保有する「お客さま名寄せデータベース」と連携させ、加入契約と、集約した履歴情報をひも付けることで、顧客データの一元的な管理を可能にしたとしている。
また、入電時に即座に顧客を特定できる「着信時検索機能」、過去の電話履歴を確認することで電話対応を円滑に進める「受発信履歴管理機能」、問い合わせの内容によって端末の業務画面もあわせて転送できる「画面転送機能」などを提供する。カスタマーセンターで受付をした内容については、営業拠点やサービスセンターとタイムリーに情報を連携する機能も追加した。これにより、カスタマーセンターと営業拠点、サービスセンターとの情報連携を強化できるとしている。
コンタクト履歴共通管理システムには、IBMが保険業界で実績を持つアセット「コールセンター顧客管理モデル」と、「コールセンターエンジン」を採用。短期間での開発を可能にするアセットの活用と、同システムと個別の業務アプリケーションの顧客データベースを二元的に管理する方法を採用したことにより、既存システムを活かしたまま、拡張性の高い新システムを効率的に構築できたとする。
各データベースの情報連携にはSOA(サービス指向アーキテクチャ)を採用することで、アプリケーションのプラットフォームを意識せず、既存システムとの結合を容易にした。さらに、まだ連携していないデスクやセンターとのデータの一元管理を導入しやすい環境が整備されたという。