#3:軽量化が図られる
筆者の記憶では、Windowsが肥大化の道を突き進んでいるという不満はずいぶん前からあった。しかしWindows 8は、PC上だけでなくARMプロセッサを搭載したデバイス上でも快適に動作することが目標となるはずであるため、Microsoftは設計段階から軽量化を考慮するだろうというのが筆者の見方だ。
タブレットをはじめとするモバイル機器は、そのスピードやシンプルさ、迅速な起動を武器にコンシューマーを獲得してきている。一方、Windows 7はあまりにも肥大化しているため、こういったメリットを望むことができない。それ故に、MicrosoftがWindows 8をモバイル機器上で稼働させたいと考えているのであれば、Windows 7において肥大化や非効率性の原因となっている多くのものを捨て去る必要があるだろう。
#4:32ビットサポートが終了する
正反対の意見も数多くあるだろうが、筆者はMicrosoftがWindows 8で32ビットサポートを打ち切るのではないかと考えている。ここ数年間のうちに製造されたPCは64ビットプロセッサを搭載している。まったく新しいOSが、過去の遺産である32ビットハードウェアへのサポートを継続しなければならない理由などどこにもないはずだ。
Windows 8が32ビットアプリケーションをサポートし続けるかどうかはまだ明らかでない。上記#3において、MicrosoftはWindows 8で軽量化と効率化を目指す必要があると述べた。そのための最も簡単な方法の1つは、64ビットアプリケーションの実行のみをサポートしたカーネルを設計することである。とは言うものの、まだまだ多くの32ビットアプリケーションが現役で稼働している現状を考えた場合、Microsoftはたとえ従来とは異なる手段を用いることになったとしても、こういったアプリケーションのサポートを継続することになるだろう。
#5:仮想プラグインの導入が進む
まさかと思われるかもしれないが、実際のところWindows 7は、ある意味においてWindows 8のモデルとなるものであると筆者は考えている。一部のWindows 7エディションでは、Windows XPモードという機能が提供されている。Windows XPモードでは、Windows XPが仮想マシンとして稼働するものの、それはかなりユニークな形態となっている。というのも、ユーザーはWindows XPデスクトップを使用することも、Windows 7デスクトップを介して透過的にアプリケーションを実行することも可能になっているためである(ただし、実際にはこういったアプリケーションはWindows XP上で実行される)。
筆者は、MicrosoftがWindows 8でも同様の方式を採用するのではないかと考えている。Microsoftは、Windowsカーネル内でレガシーOSに対する後方互換性を実現するのではなく、Windows 8のプラグインとして機能するレガシーOS(32ビットOSを含む)の仮想インスタンスを作成できるようにするのではないだろうか。こういったアプローチは、後方互換性を必要とする人々に対して扉を開きつつ、Windows 8カーネルを軽量かつ効率的なものにしておくうえで有効となるため、理想的な解決策と言えるはずだ。