#6:クラウドコンピューティングに対応する
2010年夏にニューオーリンズで開催されたTechEdにおいて、Microsoftはクラウドコンピューティングの重要性を強調していた。Microsoftとしては、近い将来に新OSの発売があるからといって、クラウドに対する取り組みを捨て去ることなどしないはずだ。筆者は逆に、Windows 8においてクラウドとの緊密な連携が図られるのではないかと考えている。例を挙げると、Windows 8ではローカル上にインストールされているアプリケーションを実行するのと同じ感覚で、クラウドアプリケーションを実行することが可能になると予想できる。
#7:仮想化されたアプリケーションに対するサポートが充実する
筆者はWindows 8において、仮想化されたアプリケーションに対するネイティブサポートが提供されるのではないかと予想している。また、こういったアプリケーションの1つとして、Internet Explorer(IE)もサンドボックス内で実行されるようになると考えている。仮想化環境上のサンドボックス内でIEを実行することで、悪質なウェブサイトを介してOSの中核部分にマルウェアが感染するという問題を回避できるようになるため、Microsoftがこれまでブラウザに関して抱えていたこういったセキュリティ問題に終止符を打てるようになるはずだ。また、IEの使用後にすべての状態を元通りにリセットするということも可能になるかもしれない。
#8:コンシューマー向けエディションとエンタープライズ向けエディションの差別化が進んでいく
Windows XP以降、Microsoftはデスクトップ向けOSのラインアップとして複数のエディションを用意し、少なくともそのうちの1つをコンシューマー向けとして、そしてもう1つをビジネス向けとして提供してきている。筆者は、Windows 8においてコンシューマー向けエディションとエンタープライズ向けエディションの差別化がかつてないほど進んでいくことになると考えている。
OSの核となる部分の軽量化と効率化が図られるという筆者の予想が正しければ、MicrosoftはそのOSのフットプリントの小ささゆえに、以前のバージョンよりもセキュアなOSであるとして企業向けに売り込むことになるだろう。しかし、コンシューマー向けエディションに関しては、必要以上のソフトウェア(Zuneをサポートするためのソフトウェアなど)の搭載という誘惑に打ち克つことが難しいのではないかと考えている。