もうすぐ変化が訪れようとしている。あとほんの数カ月で、GNOMEは3になり、UbuntuはUnityに移行する。これらのデスクトップはどちらも独特のアプローチを取っており、その独特さは、使い始めた直後からユーザー体験に大きな影響を与えるものになっている。新規ユーザーは、あまりに大きな変化に問題を抱えることになるだろう。ベテランユーザーは、お気に入りのデスクトップやディストリビューションを考え直すことになるかも知れない。しかし、必ずしもそうなる必要はない。GNOME 3もUbuntu Unityも、次世代デスクトップの有力な候補なのだ。
では、生産性を落とさずに、これらのデスクトップを素早く使いこなせるようになる方法はあるだろうか?この記事では、いくつかのヒントを紹介しよう。
1.「お気に入り」にする
これによって、時間が大きく節約できる。GNOME 3とUnityには、標準的なスタートボタンは存在しない。その代わり、カテゴリ分けされているサイドパネルがある。アプリケーションを起動するためには、まず正しいカテゴリを見つけ(GNOME 3の場合には「アプリケーション」)、そこで該当するアプリケーションを探し、そのアプリケーションのランチャーをクリックする必要がある。これらの手順を省略するには、そのアプリケーションランチャーを右クリックして、「お気に入りに追加」を選択すればよい。これで、アプリケーションのランチャーを「お気に入り」カテゴリに追加することができる。こうしておけば、使いたいアプリケーションがどのカテゴリに入っているかを探し回ったり、すべてのアプリケーションのリストを端から調べたりする必要はなくなる。
2.複数のワークスペースを使えるようにする
どちらのデスクトップも、デフォルトでは1つのワークスペースしか使えないようになっている。最近のLinuxディストリビューションを使っている人は、これには違和感を感じるだろう。新しいGNOME 3やUnityのデスクトップを、使い慣れているものに近づけるためには、ワークスペースの数を追加する必要がある。これは簡単だ。GNOME 3では、マウスを画面の左上に合わせるとサイドパネルが表示されるが、その際画面右下に表示される「+」記号をクリックしていけば、好きな数だけワークスペース追加することができる。Unityの場合、少なくとも本記事執筆時点では、コマンドラインから次のように入力して、gconf-editorのエントリを修正するしかない。
gconftool-2 --type=int --set /apps/metacity/general/num_workspaces *
このとき、「*」の部分に使いたいワークスペースの数を入れる。公式リリースされるまでには、このオプションを設定するためのGUIツールが用意されるはずだ。
3.GNOME 3のサイドバーを利用する
この機能はまだあまり知られていないのだが、多くのユーザーはこの機能を活用したいと思うはずだ。この小さなサイドバーは、デスクトップ上の自分のログイン名をクリックし、「サイドバー」を選べば開くことができる。このサイドバーでは、一部のよく使われるアプリケーションのランチャーにすぐにアクセスできるほか、時計と最近使った文書が表示される。GNOMEのサイドバーには、小型表示とフル表示という2つの表示方法がある。多くのユーザーには小型表示の方が適しているだろうし、それで使えなくなる機能もない。残念なことに、本記事執筆時点では、サイドバーに表示されるアプリケーションを自分で設定することはできない。デフォルトで含まれているアプリケーションが気に入らないユーザーもいるはずで、この点が修正されることを期待したい。しかし、そういった欠点を考慮しても、このサイドバーは便利なツールだ。