企業や組織においてオンライン動画を利用しようとする場合、プラットフォームの選択や動画ファイルのストレージ、機器の互換性といった難関に取り組めるようにしておく必要がある。
ネットワークの帯域幅やマシンの処理能力が年々向上し、企業における仕事の進め方も変化するなかで、企業内でのオンライン動画の利用事例が増加してきている。わずか数年前と比較してみても、平均的な情報処理関連の職場では動画のライブ配信やオンデマンド方式のストリーミングがトレーニングや人事管理、マーケティング、幹部のコミュニケーションに用いられる手段として盛んに活用されるようになっている。また、動画を組み込んだユニファイドコミュニケーションの普及によって、動画の利用事例は今後もさらに増えていくはずである。
社内におけるオンライン動画エクスペリエンスを優れたものにするには、どういったことを行えばよいのだろうか?以下では、社内における動画の役割を検討する際に参考となる、オンライン動画を活用するための10個の重要なファクターを紹介する。なお、多くのファクターがテクノロジと直接関係していない点に驚かれるかもしれない。
#1:成功の定義
動画というテクノロジは、企業内において独立しているものではない。このテクノロジは、情報処理関連に従事する労働者の生産性や、ビジネスの仮想化、社内のコミュニケーション戦略といったより大きなシステムを構成するパーツとなるものであり、またそう捉えるべきでもある。動画を用いて何を行うのかにかかわらず、まず成功とは何かを定義するところから始めるべきだろう。成功の定義が、状況によって違ってくるのはもちろんであるが、明確に定義しておく必要があるわけである。例を挙げると、いつでも好きな時に、社内のどのデスクトップPCに向けてでもライブストリーミングで動画を配信できるようにするということが成功を意味する場合もあるだろう。あるいは、自社でサポートしているどのデバイスからでも、オンデマンド方式で動画を視聴できるようにするということが成功を意味する場合もあるはずだ。
#2:プラットフォーム
企業における動画の活用は一筋縄ではいかない。うまく活用していくには、実際に導入可能、かつ動画の展開プログラムに沿ったスケーラビリティを備えた企業向けの動画プラットフォームを選定する必要がある。堅牢かつダイナミックでスケーラビリティを備えたプラットフォームは、動画の活用を目指す企業にとって必要不可欠なのである。
#3:ポリシー
動画によるコンテンツは、その他の形式によるコンテンツとさほど違いがないように思えるかもしれない。しかし、違っている部分もあるのだ。オンライン動画を展開しようという企業は、その展開状況に応じて自社ポリシーを改定していくことが不可欠となる。セキュリティやコンプライアンスに関するポリシーや利用規程はすべて、動画のことも考慮しておかなければならない。例えば、(米国では)動画は法律上、「開示手続」の対象となり得る電子情報となっており、企業の直面する法的な問題に影響を与える証拠として扱われる可能性がある。しかし、非テキスト形式のコンテンツであるがゆえに、捜索や開示のための適切なインデックス作成が困難な、あるいは不可能なものとなる場合もある。動画の持つ特性から生み出されるこういった潜在的責任は、ポリシーにおいてきっちりと対応しておく必要がある。