福岡大学の次世代ネットワーク「FUTURE 4」に、A10ネットワークスのアプリケーションプラットフォーム「AXシリーズ」が採用され、本格稼働を開始した。A10ネットワークスが3月4日に発表した。
FUTURE 4は、福岡大学の学生、教職員約2万3000人のユーザーが利用するキャンパスネットワークのほぼすべてを入れ替える大規模な次世代ネットワーク構築プロジェクト。FUTURE 4では、従来のシステムで抱えていたネットワーク速度の課題を解決するため、大規模なギガビットネットワークと先進的なサービスが導入されているという。DNSやLDAPなどのあらゆるサービスがロードバランサの仮想IPを通して提供されているため、高い信頼性とともに、今回増速されたギガビットネットワークに対応できるだけのハイパフォーマンスなアプリケーションサービスの提供が必須となっていたという。
従来のシステムでは、大型のシャーシ型製品を使用してあらゆるサービスを提供していたため、サービスごとにシステムを分けてシンプルに構成することができず、設定が複雑になるなど、運用面で課題があったとしている。また、将来的にIPv6に移行したとしても、同様のサービスを提供できることが必須の条件となっていた。信頼性の面でも、従来は、同一のセンター内で冗長構成を組んでいたため、同一の電源供給を利用することととなり、電源トラブルなどが発生した場合、冗長化していたとしても、システムが停止する可能性があった。
これらの課題について検討した結果、高い可用性とコストパフォーマンスが認められ、学内で使用されるアプリケーションサーバの冗長化と負荷分散を行うロードバランサとして、AXシリーズが採用されたという。
アプリケーションサーバであるAXシリーズが持つ「Advanced Core Operating System(ACOS)」アーキテクチャは、OSレベルでScalable Symmetrical Multi-Processing(SSMP)テクノロジを備える。設計段階から最適化されたマルチCPUアーキテクチャを持つため、パフォーマンス、拡張性、信頼性において優れているとしている。
AXシリーズは、福岡大学のシステム内で、複数の1Gビットインターフェース使用したハイパフォーマンスなL4/L7ロードバランシングを行っている。新システムでは、2つの異なるセンターにシステムを分散させて、その間をネットワークで接続し、冗長構成を組むことにより、より高い信頼性を実現した。物理的に離れた拠点間でアクティブ-スタンバイ構成をとることで、これを実現しているという。
福岡大学では、既にIPv6アドレスを取得しており、移行に向けた検証も行っている。AXシリーズは、開発段階からIPv6を考慮して設計され、追加コストなしでネイティブのIPv6サービスを提供できるため、この検証環境でも利用されているという。福岡大学は引き続きIPv6の検証を行い、将来的な移行に備えていく予定だ。