必要な容量から最適なメディアを
バックアップによく使われるメディアの種類には、大きく分けて磁気テープ、光学メディア、HDDがある。磁気テープや光学メディアは、記録メディアだけを追加できるため、長期に渡って保管する場合でも場所を取らないことが特徴だ。
外付けHDDは近年大容量化が進んでおり、USB接続のものやネットワーク経由で接続するNASなどが安価に購入できるようになっている。バックアップデータ保持期間に対する必要な容量を計算し、リストアに必要な手間を考慮した上で、最適なメディアの種類を選択してほしい。
サーバが複数台の時は
サーバが複数台ある場合は、これらを統合することで、バックアップメディアを共有したり、単一の管理コンソールで一括に管理したりできるようになって便利だ。
休止できないシステム
企業活動のグローバル化に伴い、ITシステムを休止することなく連続して稼働するケースが増えてきているのではないだろうか。また、データの量が増えるとバックアップに要する時間が長くなるので、その場合にはバックアップの最中にシステムを休止しておくことが困難になる。
いずれの場合も、システムを稼働している間にバックアップを実行できることが求められる。システム稼働中にバックアップが実行されると、システムからファイルを読み込んでいる最中にデータが書き換えられることがあり得る。その場合、データの中に不整合が生じる危険性があり、正常にリストアできない可能性があるのだ。
多くのバックアップソフトウェアには、これを防ぐためのスナップショットの技術やアプリケーションとの連携機能が搭載されているので、購入の際に確認してほしい。また「SQL Server」や「Oracle Database」の場合には、トランザクションログの切り捨てなど必要なメンテナンスをバックアップのスケジュールの一環として実行できるようにもなっている。
どの単位までリストアすべきかを考慮
リストアの要件としては、どの程度細かい単位でリストアする必要があるのかを検討する必要がある。
特定のファイルやフォルダだけを別の場所にリストアすることができるかどうか。また「Exchange Server」のメールの場合に、メールストア全体をリストアするのではなく、特定のユーザーのフォルダだけをリストアしたり、特定のメールだけをリストアしたりするようなオペレーションが可能かどうか、必要な要件によって確認してほしい。
浅野百絵果(あさの もえか)
株式会社シマンテック
プロダクトマーケティング部プロダクトマーケティングマネージャ
小規模~中規模向けバックアップを専門とする。「Symantec Backup Exec」、「Symantec Backup Exec System Recovery」を中心に、日本での製品ポジショニングの決定、市場に対するマーケティング活動などを行う。
編集:田中好伸
Twitterアカウント:@tanakayoshinobu
青森生まれ。学生時代から出版に携わり、入社前は大手ビジネス誌で編集者を務めていた。2005年に現在の朝日インタラクティブに入社し、ユーザー事例、IFRS(国際会計基準)、セキュリティなどを担当。現在は、データウェアハウス、クラウド関連技術に関心がある。社内では“編集部一の職人”としての顔も。